内部表現の冗長化によるボルツマンマシンの動作並列化
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概要
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ボルツマンマシンは,動作が並列に行われることができると一見思われているが,従来の一般的な枠組では,複数の素子の状態を同時に更新したときに,エネルギー最小状態が最大確率で発生することが理論的には保証されておらず,並列動作させた場合に,最適化問題を正しく解ける保証がない.しかしながら,実際に動作させてみると,数パーセントの素子を同時に状態更新してもうまくいく場合が多い.本論文では,勾配法の立場から,並列動作させた場合のボルツマンマシンの振舞いを解析し,原問題を変換した内部表現の冗長化により,並列動作を行っても確実にエネルギー最小状態の出現確率を最大とすることができることを示す.巡回セールスマン問題を例として,詳細なシミュレーションを行い,表現を冗長化した場合としない場合とのボルツマンマシンの振舞いに関する比較データを示す.この実験データから,内部表現の冗長化により,100%の素子を同時に状態更新してもエネルギー最小状態の出現確率を最大とすることができることが明らかになった.直観的にも,冗長表現の頑強性から,並列動作を行いやすくなることは予測されるが,本論文では,その直観的予測に対して,理論的,実験的裏付けを与えている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-05-15
著者
-
熊沢 逸夫
東京工業大学計算工学専攻
-
熊沢 逸夫
東京工業大学像情報工学研究施設
-
徐 丹
東京工業大学工学部情報工学科
-
熊沢 逸夫
東京工業大学像情報工学研究所
-
熊沢 逸夫
東京工業大学 像情報工学研究所
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