(47)レタスバーティシリウム萎凋病(新称)の発生
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概要
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2002年1月,兵庫県のレタス産地において,原因不明の下葉が黄化萎凋しクラウン部分が褐変及び緑化する症状が発生した.褐変は,クラウン部分の約半分に偏っており,症状が進むにつれて,全体に拡がっていった.さらに,褐変はクラウン部より維管束に沿って上昇し,結球葉まで及ぶものもあった.常法により素寒天培地に分離し,4菌株を得た.これら菌株の病原性を検討した結果,4菌株すべて下葉の黄化萎凋,クラウン部分の褐変等の病徴を再現し,さらに病徴部分より接種菌と同様の菌株を分離することができた.これら菌株のPLA培地上での生育温度は,5〜27・5℃,最適生育温度は20℃であり,30℃で生育しなかった.これら菌株は,宿主組織上では,分生子柄が菌糸から垂直に立ち上がり,フィアロイドを1〜数段にわたり輪生し,分生子柄基部が無色であり,培地上で容易に微小菌核を形成した.以上の結果より,Verticillium.sp.と考えられ,レタスバーティシリウム萎凋病と呼称することを提案する.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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