いもち病菌接種時のイネにおけるケイ素による活性酸素の生成助長
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イネいもち病に対して,ケイ素がイネの生理的な抵抗性を促進する可能性を探るため,いもち病菌の感染時において,イネからの活性酸素の発生に注目し,ケイ素施用が与える影響を検討した.1)土耕栽培したイネ葉身において,ケイ酸カリウムを施用したイネ葉身で,接種後0〜0.25hに無施用に比べ,スーパーオキシドアニオン(O_2^-)の高い生成ピークが認められた.接種後0.25h以降には,生成量はピークの約半分に減少し,無施用のイネとほぼ同等になり,その後大幅な増減がないまま推移した.2)水耕栽培したイネ葉身において,ケイ酸カリウム施用イネで接種後0.25〜0.50hに無施用に比べ,O_2^-の高い生成ピークが認められた.接種0.50h以降,無施用のイネとほぼ同等になり,そり後大幅な増減がないまま推移した.3)接種後0.50h以内のO_2^-の急激な生成ピーク(オキシダティブバースト)が,ケイ素施用により増加したことは,ケイ素の施用は病原菌感染時の認識シグナルを増幅する可能性を示す.本報告は,ケイ素が病原菌感染時におけるO_2^-の生成を促進することを示した初めての報告である.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2002-10-05
著者
-
渡辺 和彦
兵庫県立農林水産技術総合センター:東京農業大学
-
渡辺 和彦
兵庫中央農技セ
-
相野 公孝
兵庫県立農林水産技術総合センター
-
神頭 武嗣
兵庫県農技総セ
-
前川 和正
兵庫農総セ
-
岩本 豊
兵庫県立農林水産技術総合センター農業技術センター病害虫防除部
-
前川 和正
兵庫県立農林水産技術総合センター
-
神頭 武嗣
兵庫県立農林水産技術総合センター
-
小川 健一
岡山県生物科学総合研究所
-
前川 和正
兵庫農技セ北部
-
小川 健一
岡山県生物科学総合研究所(ribs Okayama)
-
渡辺 和彦
兵庫県立農林水産技術総合センター農業大学校
-
渡辺 和彦
兵庫県立農林水産技術総合センター
-
渡辺 和彦
兵庫中央農技
関連論文
- Phytophthora nicotianaeによるポインセチア疫病(新称)
- (89)ポインセチア疫病(新称)の発生(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 内生細菌の Olpidium virulentus 感染阻害効果とそれを用いたレタスビッグベイン病防除の可能性
- 微生物を生きたまま種子にコーティングし保存可能にする技術の開発
- レタスビッグベイン病に関連する2種ウイルス,Mirafiori lettuce virusとLettuce big-vein virusの血清学的検出,病徴発現および生育温度の関連
- 土壌分析における抽出溶液量対土壌量比と元素抽出量間の規則性(第2報) : 各種塩による土壌中亜鉛の抽出とイオン交換樹脂による規則性の検討
- 養液土耕・養液栽培における液肥管理の新しい展開(2004年福岡大会シンポジウムの概要)
- 5-21 簡単にできる土壌・作物体の養分テスト法の検討(5.植物の無機栄養および養分吸収)
- 5-26 要素欠乏・過剰による斑点症状のマイクロビームアナリシス : 第2報 キュウリのリン酸過剰の症状と斑点部の元素分布(5.植物の無機栄養および養分吸収)
- (36) ネギ疫病に有効な蛍光性Pseudomonas属細菌の選抜(関西部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- メロンえそ斑点病ウイルスを媒介するOlpidium bornovanusの感染阻害効果を有する内生細菌の存在(関西部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- 7-4 カルシウム肥料によるダイズ茎疫病の発病低減効果(7.土壌病害,2009年度京都大会)
- タマネギ炭化物のコマツナ栽培に対する施用効果
- 有機物資源利用の魅力と限界
- メロンえそ斑点ウイルスの媒介菌Olpidium bornovanusに感染阻害効果を示す新規Bacillus属菌の選抜
- (463) メロンえそ斑点ウイルスを媒介するOlpidium bornovanusに拮抗性を示す新種Bacillus属菌の生物学的特性等の解析(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (462) メロンえそ斑点ウイルスの媒介菌Olpidium bornovanusに対する拮抗微生物の圃場試験選抜(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (461) 室内幼苗検定法を用いたメロンえそ斑点ウイルス媒介菌Olpidium bornovanusに対する拮抗微生物の選抜(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 1. はじめに(施肥管理と病害発生)(2003年神奈川大会シンポジウムの概要)
- 施肥管理と病害発生
- 内生細菌の育苗時接種処理と尿素ポリマーの土壌混和処理との併用によるハクサイ黄化病防除効果
- 露地太陽熱利用によるハクサイ土壌病害防除-3-体系化実証による実用性の検討
- 丹波黒大豆におけるSoybean Masaic Virus(SMV)に関する研究-1-SMVが生育,収量に及ぼす2,3の影響
- 7-4 寒天培地接種法を利用したダイズ茎疫病に対する各種無機元素の効果(7. 土壌病害, 2006年度秋田大会講演要旨)
- III-4 施肥による植物病害の抑制(III 施肥管理と病害発生)
- イネ葉いもちの発病抑制におよぼす水溶性ケイ酸の影響
- (42)イネいもち病菌の菌糸伸長抑制におよぼす水溶性ケイ酸の影響
- ケイ酸カリウム溶液の育苗培土灌注によるイネ苗いもちの発病抑制
- SEM・EDXで見た野菜の根とその周辺の無機元素濃度
- いもち病菌接種時のイネにおけるケイ素による活性酸素の生成助長
- イネ葉身におけるいもち病菌侵入部位でのケイ素の蓄積
- 20-3 ケイ酸カリウム溶液の育苗箱灌注によるイネ苗いもちの発病抑制(20.肥料および施肥度)
- 無機元素の病害虫への関与とその機作
- ケイ酸と作物生産(2001年高知大会シンポジウムの概要)
- III-3 全身獲得抵抗性(SAR)誘導とケイ素(III ケイ酸と作物生産)
- 各種ケイ酸資材施用による育苗期のイネいもち病の発病抑制
- 27 各種ケイ酸資材の苗いもち発病抑制効果(関西支部講演会)
- ケイ素は作物の抗菌活性を強化する (2000年(平成12年)土・肥料特集号) -- (肥料・土づくり 研究最前線)
- トマト幼植物の地上部あるいは地下部に与えたカルシウムおよびリンの吸収と転流
- トマトの葉と根からのカルシウムとリンの吸収・流転速度の比較
- 24-10 作物も人も元気になる肥料・ミネラル : その事例(24.社会・教育,2007年度東京大会)
- 作物も人間も元気にする硝酸イオン、一酸化窒素のシグナル伝達作用
- (164) 寒天培地接種法を用いたCaCl_2およびCa(NO_3)_2処理によるダイズ茎疫病の発病抑制効果(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (82) 兵庫県におけるダイズ茎疫病菌のレース分布(関西部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- 24 各種有機,無機物質の葉および根からの吸収・転流状態のオートラジオグラムによる視察(関西支部講演会要旨)
- ダイズモザイクウイルス検定のための酸素結合抗体法の実用性
- I-3 栄養診断におけるマルチコンパートメント解析(作物栄養診断法の現状と問題点)
- トマトすじぐされ病果実内糖代謝のマルチコンパートメント解析
- 施肥窒素形態, カリウム施用量および品種の違いがトマト果実内糖代謝に及ぼす影響のマルチコンパートメント手法による解析
- 2 生育障害トマト果実内糖代謝のコンパートメント解析(関西支部講演会講演要旨(その1))
- 6-25 生育障害トマト果実内糖代謝のマルチコンパートメント解析(6.植物の代謝および代謝成分)
- 7. K濃度,N形態,品種の組合せにおける^C-グルコースのトマト果実内代謝(関西支部大会)
- 6-20 K濃度,N形態,品種の組合せにおける^C-シキミ酸のトマト果実内代謝(6 植物の代謝および代謝成分)
- イネ葯培養における低温保存穂へのコルヒチン前処理の効果
- 水稲葯培養の脱分化培地及び再分化培地におけるアンモニア態窒素の影響
- IV-5 ミネラル管理の重要性、作物と人の健康(IV 食と健康・予防医療を考える-ミネラルと油脂栄養の重要性-,シンポジウム,2008年度愛知大会)
- 8 兵庫県の汚染ほ場におけるイネ科牧草によるカドミウム吸収(関西支部講演会,日本土壌肥料学会 支部講演会講演要旨集 2005年度)
- カーネーションの養液土耕における時期別養分吸収量に基づく高収量・環境保全型施肥法
- 改良型プラントボックス法におけるムクナの他感作用の活性炭による軽減
- カドミウム汚染ほ場における水稲作後のアブラナ科葉菜によるカドミウム吸収(関西支部講演会, 日本土壌肥料学会支部講演会講演要旨集2004年度)
- 22-32 水稲のカドミウム吸収に及ぼす塩素の影響(22.環境保全)
- 22-24 熱水処理の温度と量が土壌の化学性に及ぼす影響(22.環境保全)
- 15-16 堆肥および肥料三要素50年連用が水稲・麦の収量に及ぼす影響(15.水田土壌肥よく度)
- 10-4 トマトの育苗期に与えた^Ca、^Pの生育ステージ別分布(10.植物の無機栄養・代謝)
- トマトの葉柄基部、果房基部あるいは果実に与えた^Caの吸収と転流
- 4 トマト幼植物葉柄基部からのカルシウムの吸収・転流能(関西支部講演要旨)
- 10-38 トマトの葉と根からのカルシウムとリンの吸収・転流量の比較(10.植物の無機栄養・代謝)
- (49) ダイズモザイクウイルス (SMV) に対するモノクローナル抗体の作製 (関西部会)
- 土壌分析における抽出溶液量対土壌量比と元素抽出量間の規則性(第1報) : 酢安, 塩酸による土壌中亜鉛の抽出
- 2-22 pH測定における溶液対土壌比イオン平衡則(土壌有機および無機成分)
- ク-ルステ-ジ付きナチュラル走査電子顕微鏡による心白米の観察
- S6I-5 内生細菌を用いた数種土壌伝染性病害の生物的防除(S6I.微生物資材接種研究の新展開,6.土壌生物,2008年度愛知大会)
- (422) Trichoderma atroviride SKT-1をライブコートした稲籾のばか苗病及びもみ枯細菌病に対する発病抑制効果(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Pseudomonas fluorescense FPH9601 がトマトの各種土壌病害に与える影響
- 都市近郊農業の今後と土壌肥料の役割(関西支部) (日本土壌肥料学会創立70周年記念特集) -- (70周年記念シンポジウム--統一テーマ:地域に根ざした持続的農業における土壌肥料研究の展望)
- 2-9 近赤外分光法による土壌養分分析の可能性の検討(2.土壌有機および無機成分)
- D104 バーティシリウム属菌に対する殺菌剤の生物活性
- レタスビッグベイン病に対する有効薬剤と処理条件
- レタスビッグベイン病に対する有効薬剤と処理条件
- 9-73 軟弱野菜のカドミウム吸収に及ぼす塩素、マンガンの影響(9.植物の無機栄養)
- (361) ダイズモザイクウイルス-A 系統の外被タンパク質遺伝子の塩基配列 (日本植物病理学会大会)
- 土壌分析における抽出溶液量対土壌量比と元素抽出量間の規則性(第3報) : 小カブの亜鉛吸収からの抽出溶液量対土壌量比とK値の意味の検討
- (17) カーネーション斑紋ウイルス(CarMV)の外被タンパク質遺伝子の構造解析 (関西部会)
- ダイズモザイクウイルスの精製
- 3 都市近郊農業の今後と土壌肥料の役割(学会創立70周年記念シンポジウム)
- マルチコンパ-トメント解析手法によるグルコ-ス,チアミン,尿素,リン酸のトマトの葉と根からの吸収移行率の比較
- 各種有機,無機物質の葉および根からの吸収・転流状態のオ-トラジオグラムによる観察
- V-1 生育障害に対する対応の現状と問題点(V.畑作物生育障害克服のための土壌肥料学的方法論)
- Drip Fertigationにおける施肥と今後の展望 (第20回肥料セミナー特集 新しい肥料の発展を求めて)
- 兵庫県の丹波黒栽培地域におけるダイズ茎疫病菌のレース分布と育種母本の選抜
- I-5 肥料、資材のカドミウムリスク評価と対応(I 農業環境の重金属問題をリスクの視点からみつめる,シンポジウム,2011年度つくば大会)
- 内生細菌のOlpidium virulentus感染阻害効果とそれを用いたレタスビッグベイン病防除の可能性(環境保全型農業における微生物の利活用,シンポジウム)
- Pseudomonas fluorescense FPH9601がトマトの各種土壌病害に与える影響
- Olpidium brassicaeの遊走子の運動性及びレタスへの感染に及ぼす有機酢,炭酸ナトリウム及び天然活性物質の影響(2006年度大会一般講演要旨)
- 内生細菌定着苗を用いたハクサイ根こぶ病の圃場における発病抑制効果(2003年度大会一般講演要旨)
- レタスビッグベイン病に対する生物素材を中心とした各種資材の組み合わせ効果(2002年度大会一般講演要旨)
- Pseudomonas fluorescens FPT9601による誘導全身抵抗性機構
- 農業環境の重金属問題をリスクの視点から見つめる(2011年つくば大会シンポジウムの概要)
- 分野の壁を乗り越えた研究を!
- Pseudomonas fluorescens FPT9601 による誘導全身抵抗性機構