イネ葉身におけるいもち病菌侵入部位でのケイ素の蓄積
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概要
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ケイ素のいもち病抑制機作を究明するために,いもち病菌の侵入時のイネ葉身表皮で元素のマッピングをクールステージ搭載低真空走査電子顕微鏡(VP-SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により,試料を前処理なしに直接,観察・分析した.傷だけを与えて64時間後のケイ素施用イネの第5葉身表面で,ケイ素は孔辺細胞,副細胞以外の表皮細胞,特にいぼ状突起に分布していた.有傷接種64時間後のケイ素施用イネの第5葉葉身表面では,接種した分生胞子が発芽して発芽管を伸長し,その先端に葉身への侵入部位である半円球状の付着器が形成されていた.付着器付近部にはケイ素が高密度に集積していた.しかし,接種の有無にかかわらず,窒素,カリウム,マグネシウム,カルシウム,塩素等の元素は表皮細胞に均一に分布していた.本報告は,イネにおいて,いもち病菌侵入時のケイ素の挙動を示した初めての報告である.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2002-04-05
著者
-
渡辺 和彦
兵庫県立農林水産技術総合センター:東京農業大学
-
渡辺 和彦
兵庫中央農技セ
-
相野 公孝
兵庫県立中央農業技術センター
-
神頭 武嗣
兵庫県農技総セ
-
前川 和正
兵庫農総セ
-
坪井 秀樹
(株)日立サイエンスシステムズ
-
前川 和正
兵庫県立中央農業技術センター
-
渡辺 和彦
兵庫県立中央農業技術センター
-
神頭 武嗣
兵庫県立中央農業技術センター
-
岩本 豊
兵庫県立中央農業技術センター
-
和田 正夫
日立サイエンスシステムズ
-
坪井 秀樹
日立サイエンスシステムズ
-
前川 和正
兵庫農技セ北部
-
渡辺 和彦
兵庫県立農林水産技術総合センター農業大学校
-
渡辺 和彦
兵庫県立農林水産技術総合センター
-
渡辺 和彦
兵庫中央農技
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