(6)うどんこ病菌の吸器形成に関する研究 : (I)光の影響
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概要
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うどんこ病の防除を目指して,光に対するうどんこ病菌の生育適応性を検討した.常に光を当てた条件でキュウリうどんこ病菌を培養した場合,最終的な胞子形成は阻害されなかったが,明暗12時間周期に比べ,二次菌糸伸長,吸器形成の抑制が認められた.暗黒下で培養した場合は,付着器発芽,一次吸器形成,二次菌糸形成の抑制は認められなかったが,二次吸器以降の吸器形成,菌糸伸長が阻害され,胞子形成も認められなかった.暗黒処理の影響はコムギうどんこ病菌でも認められた.この生育阻害効果は,光照射,あるいは培養時の糖処理で回復した.興味深いことに,暗黒下,糖処理時に形成される吸器数は明暗期下のものに比べ有意に低かった.以上のことから,本菌の感染拡大に宿主の栄養状態が重要であること,栄養条件に応じて吸器形成を制御することが示唆された.現在,光,特に光質と吸器形成との相関を明らかにし,他方で吸器形成時に発現する本菌遺伝子群から吸器形成機構を解明することで,吸器形成の抑制を作用点としたうどんこ病の防除を検討中である.
- 2003-02-25
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