(17)わが国で分離されたOrnithogalum mosaic virusの2分離株について

概要

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Ornithogalum thyrsoidesと0.dubiumは南アフリカ原産のユリ科の花きで球根による栄養繁殖で栽培されている.しかし,殆どの株に花は正常であるが葉や花茎にモザイク等のウイルス症状が現れ,問題になっている.罹病0.thyrsoidesからツルナを用いて単病斑分離した株はO.thyrsoidesに退緑モザイク症状を再現し,O.dubiumには明瞭なモザイクを現さなかったが,葉の生育を阻害した.また,ツルナの他にアカザ,Chenobodium quinoa,千日紅,Nicotiana clevelandiiの接種葉に局部病斑を示した.一方,罹病O.dubiumからの分離株はO.dubiumとO.thyrsoidesにモザイク症状を示したが,ツルナ等の供試植物には感染しなかった.両方離株はポティウイルスの特徴を示すひも状粒子で,外被タンパク質のアミノ酸配列を決定したところ,既報のOrnithogalum mosaic virus (OrMV)と高い相同性(92〜98%)を示した.従って,わが国で栽培されているOrnithogalum属の花きでは,寄主範囲と病徴の異なるOrMVが発生し,被害を与えていることを確認した.
日本植物病理学会の論文
2003-02-25