婦人科癌におけるマイクロ法によるリンパ球 : 腫瘍細胞混合培養反応

概要

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子宮頚癌16例,子宮体癌3例,卵巣癌6例について腫瘍細胞をstimulatorとして,自己リンパ球をresponderとしてマイクロプレートで混合培養反応を行い,自己リンパ球の幼若化反応を^3H-TdRの取り込みによって観察し,以下の刺激係数(Stimulaton Index,S.I.)で表現Lた.刺激係数(Stimulatlon Index,SI.)=(リンパ球十腫瘍細胞,MLTR)cpm一(腫瘍細胞)cpm/(リンパ球のみ)cpm 得られた結果は以下の如くである.I)正常人リンパ球と腫瘍細胞との混合培養でのS.I.は0.72±0.42であり,S.I. 2.0以上を示した陽性例は存在したかった.2)子宮頚癌,子宮体癌,卵巣癌におけるMLTRのS.I.はそれぞれ1.37±1.47. 0.65±0.21, 1.12±0.74であり,S.I.2.0以上を示す陽性例はそれぞれ3例(18.8%),0例(0.0%),2例(33.3%)であった.3)子宮頚癌症例について原発病巣の癌浸潤程度とMLTRとの関係についてみると,β型,γ型,にS.I.が高い傾向にあり,MLTR陽性例はβ型に1例,γ型に2例存在した.以上のことより産婦人科癌におけるMLTRの反応はきわめて軽度であり,S.I.2.0以上を示す陽性例も少なかつた.現在,その症例のMLTRの反応と予後との関係,およびその他の免疫的parameterとの相関について検討中である.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1980-05-01