破壊性胞状奇胎の臨床症候,診断経過に関する研究

概要

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昭和46〜51年に当科において扱った破壊性胞状奇胎39例について既往歴,臨床症候,診断経過などを検討し,以下の結果を得た.1.年齢的には20歳台に多く,30歳台および40歳台は少ないが,胞状奇胎に比較して高年に多い傾向があった.経妊および経産回数については胞状奇胎と差がなかった.2.Mole in Uteroの状態で35/39例(89.7%)に出血を認め,胞状奇胎より早期に出血する傾向にあった.3.ルテインのう胞の合併率は8/39例(20.5%)であり,胞状奇胎よりやや高率であった.4.Mole in Uteroの状態での尿中HCGは平均して胞状奇胎と大差なかった.5.転移率は17/39例(43.6%)であり,肺転移16例,膣転移1例であった.6.破奇の診断は臨床的には奇胎掻爬後の尿流HCGの推移及びPAG所見よりなされ,最終的に31例は開腹されて組織的に確定診断された.7.PAGは36/39例(92.3%)に施行され,3例は奇胎掻爬後まもなく子宮単摘が行われたため非施行例であった.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1979-10-01