超音波断層法による胎児四肢骨計測の意義
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概要
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児頭大横径の超音波計測が児頭の骨盤内進入や回転運動によって困難な例で,妊娠中期以降の妊娠期間推定のパラメータを開発する目的で,超音波断層法による胎児大腿骨長並びに上腕骨長の計測値に検討を加えた.また,児頭大横径値も計測できた例では児頭大横径値と胎児四肢長管骨長との関係を明らかにすると共に,死産児の摘出大腿骨について,超音波計測とX線計測の比較検討を行つた.1)胎児大腿骨長及び上腕骨長は,妊娠16〜40週でほぼ直線的な増加を示し,妊娠週数をX,胎児大腿骨長並びに上腕骨長の平均値をそれぞれY(cm)とすると,胎児大腿骨長では,Y=0.20X-0.85(R=0,99),胎児上腕骨長ではY=0.16X-0.28(R=0.99)となった.すなわち,胎児大腿骨長並びに上腕骨長の1週あたりの増加は,それぞれ2.0mm並びに1.6mmとなった.2)児頭大横径値と胎児大腿骨長並びに上腕骨長のあいだの相関について検討すると,それぞれR=0.97並びに0.98となった.3)死産児の摘出大腿骨の超音波計測とX線計測の比較から,超音波計測部分が胎児大腿骨の化骨終了部分であることが判明した.以上より,妊娠中期以降に初めて妊娠期間評価を行う必要を生じた例で,児頭大横径計測が困難な場合には,胎児大腿骨長や上腕骨長の超音波計測値が妊娠期間推定に利用しうるものと思われた.
- 1982-03-01
著者
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