胎児心拍数自動解析によるNSTの評価

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概要鳥取大学医学部産科婦人科で,妊娠26〜41週の正常および切迫早産妊婦140人のNST施行時に胎児心拍数自動解析装置(MT40)で得られた1,080区画の5分ごとの解析結果のうち,下記の五つのパラメータの妊娠経過に伴う変動を検討した。 1)胎児心拍数基線妊娠26〜31週では140 29±5 04〜146 90±6.94bpmで,32週以後は妊娠末期にかけて漸減し,妊娠41週で134 55±15 74bpmを示した。 2)心拍数基線細変動振幅 LTV相当の細変動の振幅は,妊娠26〜32週では一定の傾向がなく、平均9 57〜1107bpmて,33週で9 96±3 78bpmであり、以降は妊娠経過に伴う漸増傾向を示し、妊娠41週で12 82±3 16bpmであつた。 3)1分間の細変動数妊娠28週で4 09±103の最小値を示し、その後は、妊娠経過に伴い増加して、最大値は妊娠41週の5 36±0 81であつた。 4)5分間の5bpm以上の細変動数妊娠週数とは一定の関連がなく、平均値で6.39〜9.64を示した。 5)15bpm以上で、15秒以上の一過性頻脈 20分間の総数は,妊娠26週にはL714±1.204で、その後は妊娠経過とともに増加し、妊娠40週で最大となり4 357±2.805を示した.20分間の一過性麟脈総数が平均2以上を示すのは妊娠30週以降てあつた。以上のように、5分間の5bpm以上の細変動数を除く他の四つlは、妊娠28〜33週以後は妊娠末期まで減少あるいは増大傾向を示した。胎児心拍数の制御中枢はこの時期から成熟し、妊娠末期にかけて完成して行くものと推定される。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-09-01

胎児心拍数自動解析によるNSTの評価

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