正常月経周期,妊娠初期の尿中総エストロゲン動態について
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概要
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螢光法による尿中総エストロゲン定量法を用い同一人において初期妊娠例の排卵前後から着床, 妊娠に至る経過を連続的に測定した.1)日常検査法として活用するため比較的検体採取の容易た早朝第1尿を用い, 尿中エストロゲン排泄最をクレアチニン比(μgE/gCr, 以下E/Cと略)で表現し, 臨床的にも良好な結果が得られた.2)正常性周期卵胞期で17.7±5.4μg/g, 排卵期で78.8±8.8μg/g, 黄体期で26.7±11.2μg/gを示した.3)自然排卵後正常妊娠例では妊娠7〜8週に124.5±34.1μg/g, 妊娠9〜10週に146.7±86.8μg/g, 妊娠11〜12週に212.2±45.3μg/g, 妊娠13〜14週に241.5±77.2μg/g, 妊娠15〜16週に544.7±115.3μg/gを示し, 妊娠15週以後急激に増加した.4)clomifene citrate 1日100mg5日間投与例では排卵期に31.9±4.7μg/gのピークを示し妊娠5〜6週に73.5±43.6μg/g, 妊娠7〜8週に96.1±41.6μg/gを示し, 著明な日差変動を示した.5)hMG.hcG療法後妊娠例ではhMG1日150単位4日間投与中のE/C比は36.7±18.0μg/gを示し, 以後hMG 75単位2日間hCG 5000単位6回投与後, 140.2±14.9μg/gと高値を示した.この症例は妊娠14週3日で進行流産におわつた.6)clomifene citrate 1日50mg 5日間, 結合型エストロゲン1日1.25mg 14日間併用症例では卵胞期に17.7±3.8μg/g, 排卵期から黄体期にかけて50.5土7.5μg/gと上昇し, ***出血のはじまる7日前より32.7±7.8μg/gに下降し, ***出血後3日自然流産におわつた.流産後10日から20日のE/C比は25.2±7.8μg/g, 25日から34日には38.6±14.9μg/gを示し.流産後第1回の月経を認めた.流産後の基礎体温は低温1相性を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-05-01
著者
-
辰村 正人
鳥取大学医学部産科婦人科学教室
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山根 俊夫
松江市立病院
-
河本 裕子
鳥取大学医学部保健学科
-
河本 裕子
鳥取県 ・医療短大
-
山根 俊夫
鳥取大学医学部産科婦人科学教室
-
宇津 正二
鳥取大学医学部産科婦人科学教室
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