卵巣機能検査としての尿中総エストロゲンの螢光法による簡易定量法
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概要
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非妊娠時における尿中徴量エストロゲンの簡易定量法を確立した.定量に用いる検体量を少量化したこと(0.2ml〜1.0ml)と,抱合体の氷解に酵素法を採用したことで,Kober反応に干渉する不純物除去のための操作が省略できたこと,試験管セルホルダーを用いることでKober反応と螢光測定を同一試験管で行たえるため定量操作が著しく簡易化され,約5時間で50〜60検体の測定が可能となった.本法の再現性は,女性卵胞期尿でcv.=2.00%(n=10),50ng/ml標準液で1.68%(n=0),回収率は96.7%(n=0,範囲90.0〜103.0%)であった.また,検出限界は,試験管あたり5ng以上のエストロゲンの測定が可能である.本法を入院,外来患者を間わず広く行なえる日常検査法として採用するため,検体採取が比較的容易に行なえる部分尿のエストロゲン排泄量をクレアチニン比(μgエストロゲン/gクレアチニン)で表現することで臨床的にも良好た結果が得られた.本法による測定値は,正常栓周期卵胞期17.7±5.4μg/g,排卵期78.8±8,8μg/g.糞体期26.7±11.2μg/gであった.異常例では,閉経期14.2±2.9μg/g,両側卵巣摘除例13.9±2.9μg/g,早発閉経の疑いのある症例では9.7±2.4μg/g,ターナー症候群13.9±3.8μg/g,下垂体性無月経12.0±3.2μg/gであった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-08-01
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