新規フローセルリアクターを用いるフローインジェクション/化学発光法による過酸化水素測定
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概要
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フローインジェクション/化学発光検出法による過酸化水素の高感度測定を目的としたペルオキシダーゼ(西洋わさび製, horseradish peroxidase, HRP)固定化フローセルリアクターを開発し, 過酸化水素測定を行った. 固定化HRPは, 糖鎖酸化法でキトパール(フジボー, 粒径74〜210μm)にHRPを固定化して作製した. 固定化HRPは, リン酸緩衝液(pH 6.5)中, 4℃保存で1年以上十分な活性を保持した. フローセルリアクターは, 市販化学発光検出装置のフローセル(テフロンチューブ;内径0.96mm)に, 固定化HRPを充填(6cm長)して作製した. フローセルリアクターは, 3〜4か月間は繰り返し使用が可能であった. HRPフローセルリアクターの化学発光検出器内への装着により, 検出器光電子増倍管の前面で化学発光反応の開始と検出を同時に行うことができた. 化学発光反応の至適ルミノール濃度は0.56mmol/l(トリシン緩衝液, pH9.2), 送液の至適流量は0.1ml/minであった. 過酸化水素(H_2O_2)検出限界は10pmol, 同時再現性は2.40%(H_2O_2 4.85μmol/l, n=11)であった. 本法をグルコース測定(グルコースオキシダーゼ-HRP法)に応用したところ, 同時再現性2.79%, 4.58%(グルコース標準液2.7及び5.4mmol/l), 5.70%(標準血清, 5.0mmol/l)の結果を得, 実用可能であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1999-05-05
著者
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