共同研究 11 薬物などによる重症肝障害の臨床病理学的研究

概要

論文の詳細を見る
2002年7月,厚生労働省から健康食品や痩せ薬あるいは生薬を成分とした漢方薬が原因と考えられる死亡例をふくむ,肝機能障害などの健康被害に関する状況が報告され,大きな社会問題となりつつある。しかし,これらの薬品類や健康食品による重症肝障害についての臨床病理学的研究は少ない。熱帯地の開発途上国,とくに東南アジアの農村部においては薬草を主体とした民間医療が広くおこなわれており,鳥山等が1991年より継続しているタイ国,チェンマイ地域での各種肝疾患の病理学的研究では何らかの薬物,毒性植物によると思われる肝内胆汁鬱滞を示す例が多く,血清学的にウィルス感染が否定される原因不明の肝障害の頻度も高い,などが明らかになった。また,現地では薬草を主体とした伝統的な民間医療の他に,故意あるいは事故によるこれらの民間生薬,市販薬,農薬などの多量服用例が多く,キノコなどの野生植物を対象とした摂食行動も日常的に見られる。本研究ではチェンマイ地域における薬草を主成分とした民間医療薬,市販薬,農薬あるいは野生植物などが原因と考えられる重症肝障害症例および長崎における同様な症例を検索し,それぞれの原因による肝障害の発症機序や病変像の特徴などについて検索をおこない,薬物などによる重症肝障害の臨床病理学的所見に関して新たな知見を得ることを目的とする。
長崎大学の論文

共同研究 11 薬物などによる重症肝障害の臨床病理学的研究

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク