はまぐり潮汁の遊離アミノ酸濃度と味覚に及ぼす加熱時間の影響
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概要
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(1)開殻直後加熱を止めてはまぐり潮汁を調理して、汁及び身の遊離アミノ酸含量を測定した結果、汁にはタウリンとアラニンが最も多くそれぞれ全遊離アミノ酸含量の約42、31%を占めていた。それらについでグルタミン酸、グリシン、アルギニンが多かった。身に残った遊離アミノ酸が身には汁の約2.1倍残っていた。(2)開殻後の加熱時間を0、5、10、30分と延長すると遊離アミノ酸の汁への溶出量が増加したが、特に10分以上の加熱によりその増加が顕著であった。またエキス分、5'-AMP及びコハク酸の溶出量は、いずれも開殻直後から5分加熱後まで変わらなかったが、10分以上加熱した場合に増加した。グリコーゲンは開殻直後から加熱時間の延長にともない汁への溶出量が増加したが、10分以上加熱を続けた場合に著しく増加した。(3)開殻後、0、5、10分間加熱した3種類のはまぐり潮汁の汁についての官能検査の結果、開殻後5分以内に加熱を止めた場合よりも10分間加熱を続けたたほうが有意に匂いや味が好まれ苦味が強く感じられ、また総合的においしく感じられる傾向にあった。
- 日本調理科学会の論文
- 1993-08-10
著者
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