ムースの原料に適した魚介類

概要

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4種の魚介を用いてムースを調製し, 魚肉ムースの原料としての適性を検討した。その結果, 魚介間で大きな差が見られた。1. 破断およびテクスチャー特性によると, アジムースは最も回復性のない硬いゲル特性を示し, ホタテ貝柱ムースはやわらかく崩れやすいゲル特性を示した。シロサケとシログチのムースは回復性のある両者の中間のかたさ, すなわちしなやかでしっかりしたゲル特性を示した。2. 官能検査によると, 識別評価ではマアジムースが最もかたいと判断され, 次いでシロサケ, シログチ, ホタテの順であった。一方, 「もろさ」「なめらかさ」では「かたさ」とは逆の順に評価された。3. 嗜好評価では, シロサケムースは「色」「におい」「風味」で高い評価を得て最も好まれた。次いで「かたさ」「なめらかさ」「もろさ」で高い評価を得, また識別評価でやわらかいとされたシログチとホタテ貝柱ムースが好まれた。一方, マアジムースはどのパラメーターでも好まれなかった。4. シロサケ, シログチ, ホタテ貝柱にはムース原料魚介としての適性が認められた。
1998-05-20