黄帝内経からみた経脈の陰陽について

概要

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陰陽をベースにしている易においては,視点を固定せず融通無碍に変えてみることが大切であるとされており,矛盾に行き当るのはこの見方に通じていないからだとされている。しかし,陰陽のように広範な対象を持つ代名詞は,この様な扱いをすると,幾通りもの解釈を成立せしめることになり,読む人の熟練度や感性の違いにより結果が異なるという弊害を生みだすことになる。このため自然科学の立場で,陰陽により分類された対象を的確に捉えようとすると,まずそのベースになった視軸を明確にすることが大切である。そこでここでは科学の対象となるべき経脈について,これがどのような観点で陰陽に2分されたのかを,黄帝内経に定められた陰陽の定義をもとに探ることにした。この結果,蔵府,気の昇降,内外といった複数の因子(陰陽)により,経脈を矛盾なく,陰陽2グループに分けることができた。このことは経脈の陰陽が単一の視点で分けられたものではなく,複数の視点から分けられ,複合的に総括されたものであることを意味している。
関西鍼灸大学の論文
2001-09-30