落下細菌数を用いる清浄度評価の問題点

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清浄度の低い一般作業場およびヘパフィルター使用のクリーン作業場において6日間,計48時間における落下細菌数,浮遊細菌数を同時測定し,落下細菌数を用いる清浄度評価の問題点について検討を行った。落下細菌数測定には血液寒天培地(90mmφ)を用い,高さ90cmの机上に置き,シャーレの上蓋をとり,1時間開放して,落下する細菌数を捕獲した。浮遊細菌数測定はMGエアーサンプラーを用い,高さ90cm上で,落下細菌数測定培地から1.5m以内の距離に機器を置き,60ft^3中の細菌を血液寒天培地(150mmφ)を用いて捕獲した。サンプリングの後,37℃,48時間培養後,発育したコロニー数を計測,菌種を同定した。クリーン作業場での浮遊細菌の検出倍率は落下細菌に比して2〜9倍で,総菌数からみた検出倍率は5.4倍であった。一方,清浄度の低い作業室では浮遊細菌数の検出倍率は5倍〜53倍と大きな差を認め,総菌数からみた検出倍率は13.9倍であった。これらは人の動きに由来する発塵が原因と考えられた。落下細菌の菌種は,主に人由来のCNSであったが,浮遊細菌はCNS以外にCorynebacterium sp.やBacillus sp.など,一般環境細菌が検出された。落下細菌数測定で清浄度評価を行う場合,清浄度が高い場合には正確な評価ができない可能性があり,また,清浄度の低い場合では浮遊細菌測定値と比較して大きな差を生じる可能性がある。そのため,数回の測定を行い,清浄度の評価を行う必要がある。
関西鍼灸大学の論文
2001-09-30

落下細菌数を用いる清浄度評価の問題点

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