問欠自己導尿用カテーテル保存液の細菌学的・臨床的検討

概要

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間欠自己導尿用カテーテルの消毒剤と尿および血腫より分離した臨床菌(セラチア・大腸菌・縁膿菌・黄色ブドウ球菌,菌量10^8〜10^9 cfu/ml)との接触試験を行ない,各濃度のポビドンヨード・グルコン酸クロールヘキシジン・塩化ベンゼトニウムグリセリン溶液の殺菌効果を検討した.従来用いてきた0.05%グルコン酸クロールヘキシジングリセリン液は黄色プドウ球菌およびセラチアに対しては消毒効果が得られなかった.一方,塩化ベンゼトニウムグリセリン液は黄色ブドウ球菌に対しては消毒効果が得られなかったが,他の3菌種に対しては低濃度で速やかな殺菌力を有していた.ポビドンヨードグリセリン液は0.01%では黄色ブドウ球菌およびセラチアに対して,消毒効果が得られなかったが,0.1%では全菌種に対しては短い接触時間で速やかな殺菌力を有していた.また0.1%ポビドンヨードグリセリン液はオートクレーブ減菌処理により,有効ヨウ素量は理論値の約1/3に低下したが,室温保存における劣化はほとんど認めなかった.外観・潤滑性・抗菌力・保存性の面で,0.1%ポピドンヨードグリセリン液は間欠自己導尿用カテーテル保存液として必要十分な条件を満たしていると考えられた.
1988-10-20