養成イシガキダイからの採卵・人工ふ化 : 特にふ化に及ぼす水温および比重の影響
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概要
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1.1963年から1978年まで毎年紀伊半島沿岸で採補したイシガキダイの稚魚を白浜実験場で飼いつけて親魚まで黄成し,採卵と人工ふ化の実験を行なった。 2.イシガキダイの稚魚を田辺湾に設置した網いけすに収容し,小魚を餌料として飼育したところ,6年後には全長40cm以上,体重2,000g以上に成長し,6〜9年魚から卵を採取し,人工ふ化することができた。 3.採卵は,1970年から1978年までの間に搾出法と自然産卵法とを試み,いずれも卵が採取されたが,自然産卵法の方が,容易に多量の卵を採取することができた。 4.産卵は5〜6月,水温22〜24℃を中心に,20〜27℃の間で行なわれた。卵は直径1.0〜1.2mmの浮性卵で,水温22.2〜22.6℃では受精後30〜35時間でふ化した。 5.水温がふ化に及ぼす影響を調べる実験の結果,正常な仔魚がふ化した水温は18〜29℃であったが,80%以上の高率で正常な仔魚がふ化した水温の範囲は20〜24℃であった。 6.海水の比重がふ化に及ぼす影響を調べる実験の結果,良質卵を用いた実験では,正常な仔魚がふ化した比重(σ_15>)は16.0〜40.0であり、78%以上の効率でふ化仔魚が得られた比重の範囲は,20.0〜32.0であったが,質がやや劣る卵での実験と総合すると,ふ化の最適比重は22.0〜28.0であると考えられる。
- 1979-03-15
著者
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宮下 盛
近畿大学水産研究所白浜実験場
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原田 輝雄
近畿大水産学
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原田 輝雄
近畿大学農学部水産学科海水増殖学研究室
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横山 達雄
近畿大学水産研究所
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宮下 盛
近畿大学農学部
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原田 輝雄
近畿大学農学部
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