ハマチ鰓吸虫Heteraxine heterocercaの卵と孵化仔虫
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概要
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ハマチ鰓吸虫の駆除の一環として,卵の形状,卵発生および卵の網地への付着状況などについて調査したので報告する。実験は1962年5月から1963年8月までの間に近畿大学水産研究所白浜実験場で行なった。卵径はミクロメーターを使用して測定し,多数の卵径の平均値をとった。卵の孵化は滅菌海水を満たしたビーカー中に卵を入れ,恒温槽で温度を均一に保ちながら行なった。孵化仔虫の全長測定は仔虫をスライドにのせカバーグラスをかけ後ミクロメーターで測定した。鰓吸虫は近畿大学で養殖したハマチに付着していたものを使用し,卵もこの吸虫の放出したものを使用した。結果は次のように要約される。1. ハマチ鰓吸虫は10〜15℃の水温では1尾当り平均350個の卵を放出した。2. 卵は細長い卵形である。長径0.15mm., 短径0.07mm.でそれぞれ長い粘着糸を持っている。粘着糸は互に纏絡して太い束状になっている。3. 卵は生簀網の1〜3m層に多く付着した。5日間で5cm平方の網地に平均209個の卵が付着していた。4. 卵は水温25℃で5日と22時間で, 28.5℃では3日と6時間で孵化した。5. 孵化仔虫は透明で扁平な楕円形の虫である。その全長は0.53mm.で,後口吸盤の原基らしいものが5+5認められた。
- 1971-03-15
著者
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