プリ鰓吸虫召Heteraxine heterocercaの駆除について
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概要
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1. 1962年5月から1963年8月の間に,和歌山県白浜町近畿大学水産研究所で養成したO年魚のブリ,およびそれに吸着していた鰓吸虫を用いて,鰓吸虫の致死ならびに脱落試験を行なった。またそれを基礎にして,実際に近大全部のブリ鰓吸虫を駆除すらことに成功した。2.ブリ鰓吸虫は,同一水温の6〜1O%の食塩添加海水では,食塩の濃度が濃いほどその致死時間が短くなる。また,その致死時間は,同一濃度の食塩添加海水では,高水温23.5〜26℃でもっとも短く,低水温の5.1〜6.3℃がそれにつぎ,常温に近い12.7〜12.9℃でもっとも長い。3.ブリ鰓吸虫の海水温に対する抵抗力は,高温よりも低温に強い。4.硫酸銅,塩酸キニーネ,ビチンおよびネグボンの海水溶液は,使用した濃度の範囲において,著者らが意図した9〜7分以内に,ブリ鰓吸虫を死滅させることができなかった。しかし,A-KT海水溶液は吸虫を6分で死亡させた。5.ビチン,A-KTおよびネグボンをミンチにまぜて経口給与しても,ブリ鰓吸虫を駆除することはできなかった。6. プリ鰓吸虫の駆除法としては,吸虫のついたブリを6〜9%の食塩添加海水に一定時間湯漬するのがもっとも有効である。7. 実際の駆除の場合にぱ,容量200〜300lの桶に,5〜8%の食塩添加海水を作製し,空気を補給しつつ,1回にブリ50〜60尾を4〜6分入れた。なお,5回で液の1部を交換し,10回すぎて全部の液を更新して好結果を得た。
- 近畿大学の論文
- 1965-06-10
著者
-
熊井 英水
近畿大学水産研究所浦神実験場
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原田 輝雄
近畿大水産学
-
原田 輝雄
近畿大学農学部水産学科海水増殖学研究室
-
熊井 英水
近畿大学農学部水産学科
-
赤碕 正人
近畿大学農学部
-
楳田 晉
近畿大学農学部
-
赤碕 正人
宮崎大学農学部水産学科
-
原田 輝雄
近畿大学農学部
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