スリランカ水田農業における技術・土地・労働力利用方式
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概要
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スリランカの水田農業は,農業用水の整備の程度によって天水田,灌漑水田,半灌漑水田の3つに区分される。また,稲作は,技術構造,土地利用及び労働利用の方式に著しい特殊性がある。技術構造は,耕起,播種・育苗・田植,除草,防除,収穫作業などに関する地域レベルのデータを分析することによって確認することができる。本研究の目的は,スリランカ水田農業の技術構造,土地利用及び労働力利用の方式を明らかにすることである。本論文では次の点を明らかにした。(1).土地利用方式は,共同所有(havul),刈り分け(ande),親族内まわし作り(thattumaru),共同まわし作り(kattumaru),作付移動均分(bethma),賃貸借(badu),抵当耕作(ukas)がある。また,労働力利用方式は,家族労働,義務を伴う労働交換(attam labor),手伝い労働(kaiya),飛び込み雇い労働(ad-hoc),請負労働(cotract),雇用労働である。(2).スリランカ水田農業は,技術構造の特殊性が顕著であり,それを規定する要因は,1).経営規模,2).賃金相場,3).移住労働力,4).灌漑形態,である。(3).スリランカ水田農業の最大問題は,硬直的な土地所有構造と種々な労働方式にある。1).土地無所有農民, 2).零細地片所有農民,3).地主による被搾取的農民, 4).資源の低利用,5).低農業生産性,6).低所得,7).失業農民である。(4).さらに,地域ごとに技術構造が多様であることの要因について,さらに幾つかの点について検討した。
- 岐阜大学の論文
- 1997-12-26
著者
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