中国・瀋陽市近郊農村における野菜生産と産地構造に関する研究
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概要
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当論文では,第1に,中国東北地域にある,遼寧省における野菜の生産・流通について,改革前の1983年と改革後の1991年の状況を比較し,改革の成果を検討する。第2に,瀋陽市近郊の野菜農家の実態調査によって,野菜生産農家の実態と問題点,及び今後の展開について検討する。1985年の野菜生産・流通改革を経て,その作付面積,生産量は,年々増大の一途をたどっている。改革後,その供給量は著しく増加し,価格も全体的に上昇し,商品生産としての野菜生産が拡大した。従来の計画経済体制下での公定価格から,市場経済下における需給動向を反映した価格形成の体制が確立した。改革後の野菜生産の特徴は,近郊地域では作目や施設導入などによる栽培類型の多様化,そして周年栽培など集約的な方向に発展し,遠隔地域では専業化,地域化,大規模化に比較優位を持つ産業に発展する傾向がみられる。調査した瀋陽市の近郊農村では,野菜中心農家は稲作中心農家に比べて経営面積規模が小さく労働集約的生産を行っている。基本的に夫婦ふたりで手作業により野菜を生産しているが,土地利用率は196%と非常に高い。近年の瀋陽市における経済発展と地域開発の進展によって,農家は技術水準,施設設備,生産管理能力等の経済力規定要因に格差を生じるようになり,多様な分化を遂げるようになった。
- 岐阜大学の論文
- 2000-12-25
著者
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