青年期の慢性疾患患者と家族の小児医療から成人医療への移行に対する意識

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医療の進歩により,小児期に発症した疾患をもちながら成人に達し,小児医療を継続して受けている青年期の患者が増えており小児医療における課題となっている。そこで,これらの患者や家族たちがどのような意識で闘病しているのかを明らかにするために,小児医療から成人医療への移行に焦点をあて質問紙及び面接による意識調査を行った。対象は,小児科での治療を経験した14歳〜28歳の慢性疾患を有する患者19名とその家族17名であった。その結果,小児科での診療を継続している患者・家族の約6割は,小児科に対する違和感がなく,移行の希望をもたないことがわかった。その理由として,小児科との信頼関係があり,自分をわかってもらえていることが安心感の要素となっていた。また,移行の希望はあっても,小児科との信頼関係のために反って希望が言い出しにくくなっている場合や性差,成熱度を考慮した対応が必要な場合があり,移行の際には,患者・家族と小児医療従事者,成人医療従事者が連携を図り,個別的に移行の必要性を見極めた上で,患者側が主体的に取り組めるように人的な環境(スタッフ教育,人員の配置)やシステムを整えていくことが必要であることがわかった。
神戸市看護大学の論文
2003-03-31

青年期の慢性疾患患者と家族の小児医療から成人医療への移行に対する意識

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