<原著>小児期発症のインスリン非依存型糖尿病患者の病気および療養行動に対する認識と,自尊感情,ソーシャルサポートとの関連
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概要
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本研究の目的は,1)小児期発症のNIDDM患者の糖尿病と療養行動についての認識をIDDM患者と比較して把握すること,および2)NIDDM患者の糖尿病と療養行動の認識と,自尊感情,およびソーシャルサポートとの関連を調べることである.対象は,小児糖尿病外来を受診中の小児期発症のNIDDM患者,および,年齢と性をマッチさせたIDDM患者,各20名である.対象者に対し,糖尿病の生活への影響と療養行動に対する認識などについての面接調査と,療養行動の実際,自尊感情,ソーシャルサポートについての質問紙調査を行った.その結果,NIDDM患者もIDDM患者も糖尿病の生活への影響の大きさには有意差は見られなかったが,IDDM患者の方がより肯定的な影響を述べていた.療養行動の大切さについては,外来受診,ストレスをためないこと,禁煙,体重管理についてNIDDM患者の方がIDDM患者より大切ではないと答え,禁酒のみNIDDM患者の方が大切であると答えた.外来受診の意味は,コントロール状態や健康状態の把握のためが多かったが,IDDM患者では同時に,友達からのサポートを得たり,1ケ月間の療養行動の振り返りを行っていた.療養行動の動機づけには,病院に来ること,太ったこと,合併症を増やしたくないことなどが挙げられていた.血糖コントロールのよい者は自尊感情が高く,食事療法や体重管理を大切だと認識している者は療養行動が適切であった.病気について理解してくれる人がいないと感じている者や,親族が糖尿病であっても自分とは別であると考えている者は,療養行動や血糖コントロールが不良であった.NIDDM患者に対し,外来受診時にリラックスして話し合える場を提供し,患者の努力しているところやよくできているところを認め,自尊感情を高めていくように,家族を含めて関わっていくことが大切であると考えられた.
- 千葉大学の論文
著者
-
二宮 啓子
神戸市看護大学
-
兼松 百合子
岩手県立大学看護学部
-
中村 伸枝
千葉大学看護学部
-
武田 淳子
千葉大学看護学部
-
今野 美紀
札幌医科大学保健医療学部看護学科
-
兼松 百合子
元岩手県立大学看護学部
-
兼松 百合子
千葉大学看護学部小児看護学講座
-
兼松 百合子
千葉大学 看
-
内田 雅代
長野県看護大学
-
武田 淳子
宮城大学看護学部
-
二宮 啓子
愛知県立看護短期大学
-
今野 美紀
札幌医科大学
-
内田 雅代
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科
-
今野 美紀
札幌医科大学大学院保健医療学研究科
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