企業財務に関する経営者の考え方の変化 : 20数年間の通産省調査と経営者インタビュー・サーベイをベースにして
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概要
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日本の経営者は,企業経営の目的を株主の立場にたった長期の利潤の最大化とは考えていない。企業の長期の維持発展を企業経営の目的と考えている。また日本の経営者は,売上高経常利益率を企業経営の尺度として考え,使用総資本利益率を尺度として考えていない。これらの考え方は,経済の状況,業種の違いによっても変らない。1980年代後半から円高不況,バブル景気,バブル崩壊後の不況という3つの大きな波は,世界の政治・経済からの直接的な影響をうけた日本経済の結果であり,日本国内の財政金融政策だけでは,アンコントローラブルなものであった。その間日本企業は,長期資金の調達源泉として,当初内部留保強化から,長期借入金調達への転換に力を入れ,次に直接金融の増強・間接金融の削減という大変化をたどった。この間接金融の削減という新しい方向は,日本の産業界における金融業の相対的な力の低下による。バブル期に巷間財テクが叫ばれたが,実際にはハイテク産業の経営者は,財テクに否定的であり,それ以外の産業でもそれ程積極的でなかった。全体的にみて非常に抑制的であった。バブル後不況期には,円高による人件費の高騰が叫ばれているが,日本の経営者はそれをレイオフ,解雇で対処するのではなく,能力主義賃金によって対応しようとしている。
- 1996-06-25
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