<原著>エリソルビン酸とアスコルビン酸摂取後の尿中排泄経過

概要

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エリソルビン酸(ErA)とアスコルビン酸(AsA)を女性ボランティア6人に体重1kgあたり各2mgずつと各3mgずつを水溶液にして同時に経口摂取させ,摂取後2時間おきに10時間後まで尿中のErAとAsAの排泄速度を調べた。尿中のErAとAsAおよびクレアチニンは高速液体クロマトグラフィーにより測定し,以下の結果を得た。(1)尿中のErAとAsAの濃度は,2mg群, 3mg群のいずれでも2〜4時間尿で最大となり,その後徐々に減少するが10時間後も排泄は継続していた。(2)2mg群における0〜8時間尿のErAとAsAの総排泄量を摂取量との比率で見ると,ErAが57%,AsAが50%で,両者に有意の差は認められなかった。(3)3mg群における0〜8時間尿のErAとAsAの総排泄量を摂取量との比率で見ると,ErAが45%, AsAが71%で, ErAはAsAより有意に小いことが認められた(p<0.01)。また,2〜4および4〜6時間尿におけるErAとAsAの濃度および排泄速度は,ErAはAsAに比して有意に小さかった(p<0.05)。これらの結果から,ErAの吸収および/または排泄はAsAより遅延するものと思われた。