<原著>最近のわが国の都道府県別膵臓癌死亡率と食品等との関係

概要

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最近のわが国の膵臓癌死亡率の都道府県格差に関連する食物要因を探る目的で, 1970年および1985年における都道府県別膵臓癌標準化死亡比(SMR)と, SMRの調査年より以前の1959,1964,1969,1974,1979年の食物要因等38項目(飲食物37項目と, 付加要因としてたばこ1項目)の都道府県別・1人あたりの消費量との関係, および, SMRの変化(1985/1970)と11年および6年前の項目の変化(1974/1959,1979/1964)との関係について, ピアソンの式によって調べ, 以下の結果を得た.1)1970年および1985年の都道府県別膵臓癌SMRは, 年代間相関および男女間相関がともに有意であることから, 最近のわが国の膵臓癌死亡率に男女共通の地域集積性があることが認められた.2)1970年の都道府県別膵臓癌SMRと1959,1964年の両年にわたる項目との関係で, 有意の正相関が認められたのは, 3項目〔生鮮魚介類(男), 食塩, 緑茶(女)〕であった.1985年では, 項目との関係が, 1974,1979年の両年にわたって有意の正相関が認められたのは, 6項目〔麦・雑穀類, 生鮮魚介類(男), こんにゃく製品, 食塩, 酒類, ウィスキー(男)〕であった.3)1970年の都道府県別膵臓癌SMRと項目との関係で, 1959,1964年の両年にわたって有意の負相関が認められたのは, 4項目〔肉類(女), 牛肉(女), 鶏肉(女), 酢〕であった.1985年では, 1974,1979年の両年にわたって有意の負相関が認められたのは, 5項目〔鶏肉(男), 乾物・海草, 加工食品, 豆類, 酢〕であった.4)上記の結果から, SMRとの関連が深いと推察される食品(酒類, 魚介類, 豆類, 食塩, 酢)の推移を, 膵臓癌訂正死亡率との時差を6年として調べて見た結果, 死亡率と同傾向の推移を示した食品は酒類であった.
川崎医療福祉大学の論文
1991-10-11

<原著>最近のわが国の都道府県別膵臓癌死亡率と食品等との関係

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