最近のわが国の地域別肺がん死亡率と栄養・食品摂取状況との関係

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肺がんの1次予防の目的で, 1985年と1990年の性・地域ブロック別肺がん標準化死亡比(肺がんSMR)を算出し, 肺がんSMRとSMR調査年の5年および10年前の国民栄養調査成績を用いて栄養素および食品摂取量との相関関係を調べた.成績を以下に示す.1.最近のわが国の肺がんSMRには, 男女共通の地域集積性がみられた.2.栄養に関する項目との関係で, 男女の肺がんSMRと有意の正相関が認められたのは, たんぱく質うち動物性および動物性たんぱく質比の2項目であった.3.栄養に関する項目との関係で, 有意の負相関が認められたのは男女の肺がんSMRとビタミンCの1項目, 男性の肺がんSMRとカルシウムの1項目, 女性の肺がんSMRと鉄の1項目であった.4.食品に関する項目との関係で, 有意の正相関が認められたのは男女の肺がんSMRとたまねぎの1項目であった.また, 男性の肺がんSMRと牛肉の!項目, 女性の肺がんSMRと動物性食品, バターおよびビールの3項目にも有意の正相関が認められた.5.食品に関する項目との関係で, 男女の肺がんSMRと有意の負相関が認められたのはいも類, その他のいも, にんじん, その他の野菜類(緑黄色野菜以外の野菜類)の4項目であった.また, 男性の肺がんSMRとその他の野菜(緑黄色野菜以外の野菜類のうち, 大根, たまねぎ, トマト, キャベツ, きゅうり, 白菜以外の野菜)の1項目, 女性の肺がんSMRと大根の1項目にも有意の負相関が認められた.

最近のわが国の地域別肺がん死亡率と栄養・食品摂取状況との関係

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