<原著>加齢による尿中物質の変動

概要

論文の詳細を見る
近年, 人口の老齢化と共に40歳以上を対象とする住民の老人検診が重要視され, その項目に含まれている尿検診の頻度が高くなっている.従って, 日本人の年齢別尿中物質濃度がその異常を調べ, 高血圧, 糖尿病などに基づく, 腎疾患等のスクリーニングのために必要となり, 更に, 加齢による尿中物質の変動が必要とされるに至っている.この見地から生後より10歳代間隔で, 尿を対象として比重及び, クレアチニン, 総タンパク, アルブミン, β_2-ミクログロブリン濃度及び, NAG活性値を測定し, 実測値, 比重補正値, クレアチニン補正値について解析比較を試みた.その結果, 尿クレアチニン濃度は, 10歳代まで増加し, 20歳代をピークに加齢と共に減少する.また, 比重, 総タンパク, アルブミン濃度は, 加齢と共に減少する傾向である.これらと反対に, β_2-ミクログロブリン濃度とNAG活性値は40歳代から増加する傾向である.これら加齢による尿中物質の変動が存在することから異常値を有する尿をスクリーニングするためには, 年齢別の測定値の上限を用いる必要がある.また, 比重補正及びクレアチニン補正の長短について検討を行った結果, 年齢別に尿中物質を比重補正値であらわすことは実測値と共に有意義である.
川崎医療福祉大学の論文

<原著>加齢による尿中物質の変動

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク