<原著>全失語患者の長期臨床経過
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概要
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初診時に全失語と診断された患者14例を対象に, 養育院版失語症簡易検査を反復実施し, 言語症状の経年変化をまとめた.その結果を年齢・原因疾患・発症後の経過月数等との関係で整理し, 改善にかかわった要因と言語症状の改善機序について検討・考察し, 以下の結果を得た.1.年齢 : 発症年齢が40歳未満の若年の場合, 言語症状の改善率が高かった.2.原因疾患 : 脳出血と頭部外傷による症例の改善率は脳梗塞による症例の改善率より良好であった.3.発症後の経過月数 : 症状が固定するとされる発症後1年以降においても改善したものが7例(5割)あった.4.改善機序 : 聴覚的認知・視覚的認知, 呼称・自発書字の順に得点率が高く, 一定の法則性をもって改善することが示唆された.5.全失語の指導においては, 1〜4の諸点に留意して指導を行うことが必要と考えられた.
- 川崎医療福祉大学の論文
著者
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森 寿子
川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科
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瀬尾 邦子
川崎医科大学 形成外科
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瀬尾 邦子
川崎医療福祉大学 川崎医科大学付属病院耳鼻科
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寺尾 章
川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科
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森 壽子
川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科
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森 寿子
川崎医療福祉大学
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