<原著>補聴域値(AHT) と重度聴覚障害児の発話の明瞭性の関係
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概要
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本研究では重度聴覚障害児の発話の明瞭性と聴覚的フィードバック(裸耳聴力, 補聴域値, 語音聴取能力)の関係について検討を行った.聾学校及び難聴学級に在籍する40例の難聴児に対し, 日本語単音節/単語の発話検査とスピーカ法での聴力検査及び語音聴取検査を実施した.主な知見は以下の通りであった. 1.裸耳聴力(特に250Hz)は発話の明瞭性に大きくかかわっていた. 2.裸耳聴力に比べて補聴域値と発話の明瞭性には明確な相関関係がなかった. 3.聴覚活用の程度(語音聴取能力)と発話の明瞭性との間に有意な相関があった. このことより「平均補聴域値を60dBSPL以下に保つこと」が明瞭な発話を得るための必要条件と考えられた. 4.単音節発話明瞭度を30%以上に向上させることが難聴児の音声によるコミュニケーションを円滑にさせるための一つの目安になった.
- 川崎医療福祉大学の論文
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