<総説>高齢化社会に対応する言語治療 (高原滋夫川崎医科大学名誉教授追悼論文)
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概要
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臨床の場での実態を通して, 目前に迫りつつある高齢化社会の中で, 言語聴覚士の果たすべき役割について考察した.約23年間の臨床の場の実態からは, 以下のような患者の変化が認められた.1.最近11年間(!982年〜1993年)で, 成人患者数は前半12年間(1970年〜1981年)の3倍になった.2.前半12年間の成人患者は失語症と運動性構音障害が主であったが, 最近11年間ではこれらに加えて老人性難聴・痴呆・その他の高次脳機能障害を合併したものが急増していた.今後高齢化社会の中で医療言語聴覚士が果たすべき役割としては, 高次脳機能障害によって生ずる複雑な症状に対応した言語治療理論を構築し, そのための具体的方法論を確立すること, 加えて言語治療業務を適切な保険診療制度内に位置づけ, 医療言語聴覚士の国家資格制度を早期に制定し, 言語障害者が安心して社会生活を送りうるシステムを確立する必要があることを指摘した.
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