ニワトリの前腕骨の組織形成と酵素分布の変化

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ニワトリの長骨における組織形成の経過を正確に把握するため, 孵卵開始後7日目の胚子より孵化後7日までのひなの前腕骨を用い, その組織構造の変化について観察するとともに, アルカリ性ホスファターゼ及び酸性ホスファターゼの分布変化についても組織化学的に検索した。た。ニワトリの胚子の前腕骨における軟骨外骨化は, 孵卵8日に骨幹中央部で開始された。その後, 骨膜が次第に肥厚して骨形成が活発に行われ, 孵卵14日以後の骨幹では, 骨質が網状に連続する胚子特有の骨組織が形成された。しかし, 孵卵20日には, 骨膜の厚さが明らかに減少し, 骨形成は緩慢となった。またこの時期の骨幹においては, 髄腔側から骨吸収が急速に進行して, 骨組織の幅が著しく狭められた。孵化後はまもなく骨膜が再び肥厚して骨形成が活発になり, やがて内層の骨組織においてオステオン層板が形成されるようになった。一方, 軟骨内骨化は孵化後1日に骨幹端で開始され, 軟骨破壊部において骨組織の形成が認められた。アルカリ性ホスファターゼは骨芽細胞において検出され, 骨膜の骨形成能に平行して明瞭な活性の変化を示した。なお, ひなの骨幹では, 内層の骨組織で血管周囲の骨芽細胞や類骨組織に骨膜と同程度で強い酵素活性が観察された。また酸性ホスファターゼは破骨細胞において強く検出されたが, それらの強活性を示す細胞は骨吸収の拡大とともに増数し, 大型となった。
神戸大学の論文

ニワトリの前腕骨の組織形成と酵素分布の変化

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