ニワトリの副腎皮質の組織発生と mineralocorticoid 分泌との関係(畜産学)

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孵卵中のニワトリ胚子を用い, 副腎皮質の組織発生を組織学的・組織化学的に把握するとともに, 卵殻内にhydroflumethiazideを注入して胚の尿細管の再吸収を抑制してNa欠乏を起させた場合, または高張食塩水を注入してNa過剰とした場合の副腎の変化を観察した。それらの結果, 発生中の副腎皮質組織は, 構造的には, 孵卵開始後6日目頃より明瞭な皮質細胞塊を示し, その後は次第に拡大して, 18日目頃にはperipheral zone及びcentral zoneの部域差を生じた。また, 酵素活性では, コハク酸脱水素酵素, グルコース6燐酸脱水素酵素及びΔ^5 3β-ヒドロオキシステロイド脱水素酵素などが, 発生初期の皮質細胞から検出されたが, 孵卵12日目以後の副腎では, コハク酸脱水素酵素の活性がとくに周辺部の皮質組織で高まるとともに内層部ではむしろ低下して, peripheral zoneとcentral zoneの区域差が明らかとなった。Na欠乏状態のニワトリ胚では, 発生初期の皮質組織は明瞭な変化を示さなかったが, 孵卵12日目以後では組織の拡大にともなって諸酵素の活性が高まり, とくにperipheral zoneのコハク酸脱水素酵素やアルカリ性フォスファターゼの高活性がみられた。一方, Na過剰の胚子では, 孵卵12日目頃より, 皮質組織の全般で諸酵素の活性が低下し, とくにperipheral zoneの萎縮が明瞭となった。これらの実験結果からみると, 発生中のニワトリ胚の副腎では, 孵卵12日目頃より, peripheral zoneの分化を生じ, それと同時にmineralocorticoidの生産に関する機能が発動されるものと思われる。

ニワトリの副腎皮質の組織発生と mineralocorticoid 分泌との関係(畜産学)

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