4℃保存ブタ精子の運動性および頭帽の形態に及ぼす精漿の影響
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概要
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4頭のランドレース種雄ブタから採取した濃厚部精液を用い,精漿の存否が4℃保存豚精子の運動性および頭帽の形態に及ぼす影響につき検討した。遠心分離により精漿を除去するか,あるいは精漿を除去することなく,ETCG-カタラーゼ液を基本とする種々の希釈液で希釈し,10日または15日間保存した。精漿存在下で保存すると,軽度の卵黄凝集反応が生じたが,保存5日後までの前進精子率および正常頭帽率には精漿の存否による有意な差異は認めらなかった。しかし,10日間以上保存すると,前進精子率は精漿存在下においてその不在下よりも高く維持され,一方正常頭帽率は精漿存在下で著しく低下した。このような結果から,5日間以内の保存の場合は,精漿を除去することなく直ちに希釈して差し支えないが,それ以上の長期にわたる保存の場合は精漿除去が必要と考えられた。また,希釈液としては,保存期間の長短にかかわりなくカタラーゼ濃度300S.U./mlおよび卵黄濃度20% (v/v)のETCG-カタラーゼ液が優れていた。
- 神戸大学の論文
著者
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宮野 隆
神戸大学農学部
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加藤 征史郎
神戸大学農学部
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宮野 隆
京都大学 院農
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苅田 淳
神戸大学大学院自然科学研究科
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苅田 淳
神戸大学農学部
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安井 司
兵庫県農業改良普及所
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南條 巌
神戸大学農学部附属農場
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南条 巌
神戸大学 農
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南條 巌
附属農場
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南條 巌
神戸大学農学部
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