梅山豚の胃粘膜における粘液物質の組織化学的分布
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概要
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梅山豚の胃粘膜の発達過程を明らかにするため,1日齢から420日齢までの期間について,粘膜の厚さの計測を行うとともに,粘液物質の分布状態の変化を組織化学的に検索した。各部位の胃粘膜の厚さは,90日齢までは急速に増加したが,その後は日齢の経過にともなって次第に増加し,180日齢以後ほぼ一定となった。一方,粘膜上皮における粘液物質の分布状態についてみると,まず噴門部では,中性粘液物質が7日齢ごろから増加して30日齢で多量に認められるようになったが,180日齢以後は減少する傾向にあった。さらに全般の粘膜上皮でスルフォムチンが常に多量に観察されたが,シアロムチンはほとんど検出されなかった。次に胃底では,中性粘液物質とシアロムチンが7日齢以後増加し,それらの蓄積量は420日齢でも持続していた。しかし,スルフォムチンは1日齢のほかはほとんど認められなかった。さらに幽門部では,中性粘液物質とシアロムチンが7日齢以後かなり多量に存在し,スルフォムチンは主に胃小窩で検出された。また各部位の粘膜において,30日齢ごろに胃腺の形成が明瞭となり,60日齢には腺細胞内に粘液物質の蓄積が認められた。
- 神戸大学の論文
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