カドミウム投与によるラットおよび鶏の精巣における酸性フォスファターゼ活性度の変化について
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概要
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カドミウムが精巣機能に及ぼす影響について明らかにするため, 塩化カドミウムを投与したラットおよび鶏の精巣における, 酸性フォスファターゼ活性度, 無機リン酸および蛋白質量の変化について調べた。1) 成熟雄ラットに体重100g当り0.91mgの塩化カドミウムを肩甲部皮下に注射した。注射後1,5,10,20,30日目の各時期に材料を採取した。対照例のラットには生理食塩水を注射した。酸性フォスファターゼ活性度は, 注射後1日目で対照例の72%にまで低下し, 5日目で44%になった。その後, 30日目に至るまで酵素活性度の増加は認められなかった。無機リン酸量は, 注射後1日目で増加したが, 5日目では対照例の約1/2に減少した。しかし, 20日目になると対照例の2倍以上になり, 30日目で7倍に増加した。蛋白質量は, 1日目のものを除けば, いずれの場合も対照例よりも高い値を示した。2) 鶏は, 78日令および168日令の雄鶏を用いた。78日令の雄鶏には1羽当り2mgの塩化カドミウムを肩甲部皮下に注射した。一方, 168日令の雄鶏には体重100g当り1mgの塩化カドミウムを腹腔内に注射した。生理食塩水を注射した鶏を対照例とした。すべての鶏について, 注射後1日目に材料を採取した。鶏の精巣における酵素活性度, 無機リン酸および蛋白質量は, 塩化カドミウムの投与によって明瞭な変化を示さなかった。このことから, 鶏のカドミウムに対する感受性はラットの場合と著しく異なることが推察された。
- 神戸大学の論文
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