過排卵処理ハムスターからの摘出子宮内で前培養したヤギ射出精子の透明帯除去ハムスター卵子への侵入

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ヤギ精子を過排卵処理ハムスターからの摘出子宮内で前培養し,透明帯除去ハムスター卵子への侵入能力の変化を調べた.シバヤギから人工腟法で採取した精液を用い,3回洗浄精子浮遊液(15億精子/ml)として摘出子宮内で前培養した.ついで,灌流して精子を回収し,組織片や血球を除去したのち1回洗浄し,透明帯除去ハムスター卵子に媒精した.卵子は37°C,5% CO2-95%空気下で培養し,固定染色して精子浸入の有無を検査した.子宮内前培養時間(1-5.5時間)の影響につき検討した結果,運動精子,前進精子および生存(エオシン不染)精子の割合は前培養時間が長くなるにしたがって著しく低下した.しかし,媒精5時間後の精子侵入卵子率は前培養時間の経過とともに上昇し,5.5時間前培養した精子で最高値が得られた.また,多精子侵入卵子および卵子当たりの侵入精子数も子宮内前培養時間の経過に伴って増加したが,試験管内の媒液中で5.5時間前培養した精子では卵子への侵入は認められなかった.子宮内で5.5時間前培養した精子試料を用い,媒精後種々の時間に精子侵入状況を調べた結果,精子侵入卵子は媒精後2時間で初めて観察され,3時間でさらに増加したが,その後5時間まで有意な増加は認められなかった.以上のことから,ヤギ精子は過排卵処理ハムスターからの摘出子宮内で前培養することにより透明帯除去ハムスター卵子への侵入能力を獲得することが明らかにされた.
社団法人日本畜産学会の論文

過排卵処理ハムスターからの摘出子宮内で前培養したヤギ射出精子の透明帯除去ハムスター卵子への侵入

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