運動時の水分摂取および身体冷却が体温調節反応に及ぼす影響

概要

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本研究は, 運動時の身体冷却と水分摂取が体温調節反応に及ぼす影響を検討する目的で, 健康な男子大学生8名を対象に, 常温常湿環境下で自転車エルゴメータを用いて, 55.4±4.2%VO_2maxに相当する中等度の運動を60分間負荷した。運動時および回復期に身体冷却と水分摂取を同時処置し, 深部体温, 皮膚温, 心拍数および発汗応答について測定した。その結果を要約すると次のとおりである。1.運動時の水分摂取は, 身体冷却だけの場合に比較して, 深部体温および皮膚温の上昇を約2分間遅延させる効果が示唆された。身体冷却は, 体温上昇や体熱量を抑制する傾向が認められた。2.身体冷却は, 水分摂取より心拍数増加の抑制が大きかった。3.体重減少量は, 1.13%に相当し, 水分摂取および身体冷却による影響は認められなかった。4.水分摂取および身体冷却と発汗量との間に顕著な差は認められなかった。本研究から, 水分摂取より身体冷却が運動時の体温調節反応に及ぼす影響が大きいことが示唆された。