<原著>卵胞期と黄体期における有酸素性運動中の代謝・ホルモン動態の特徴

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本研究は, 性周期phaseの異なる低体温期と高体温期における有酸素性運動中の代謝・ホルモン系の動態を比較検討したものである。被験者は22歳から24歳までの正常な性周期を有する健康な6人の女性である。低体温期と高体温期では基礎体温に統計的な有意差がみられたが, 最終的なphaseの確定は血中プロゲステロン・レベルによって行った。被験者は, 低体温期と高体温期にあらかじめ測定した最大酸素摂取量の55%強度で40分間の自転車エルゴメータ運動を実施した。安静時から運動開始後10,20,30,40分に採血し, 糖・脂質およびホルモン・レベルを分析した。検査項目は, グルコース, TG, FFA, アセト酢酸, E_2,プロゲステロン, インスリン, アドレナリン, ノルアドレナリン, レプチンである。両phaseにおける運動中のHRやVo_2には有意な差はみられなかったが, 運動開始40分後の呼吸交換比(R)は低体温期の方が有意に低かった(p<0.05)。運動中のグルコースとインスリンのレベルには, 両phase間に有意な差はみられなかった。FFAは, 安静時で低体温期の方が低い値を示したが, 運動中のFFAレベルは高体温期より活発な上昇傾向を示した。また, 両phaseともカテコラミンは運動時間の経過とともに上昇傾向を示した。これらの結果より, 運動による両phaseへの影響にはほとんど差がないと考えられるが, 結果をまとめると, 低体温期では以下の3点が顕著であった : 1) 呼吸交換比は低体温期の方が低かった, 2) インスリンとグルコースのレベルは運動によってほとんど影響を受けなかった, 3) FFAの代謝は活発であった。
2001-03-01

<原著>卵胞期と黄体期における有酸素性運動中の代謝・ホルモン動態の特徴

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