学内演習における生活援助技術の習得度(2) : 実技試験「下シーツ交換」の結果より

概要

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平成10年度前期実技試験「下シーツ交換」の<核となる要素>の得点率を分析し,習得状況から難易度およびその要因を明らかにした。最も難易度の高い行為は「シーツの上一枚を手前に垂らし,残りを中心線が見える位置まで広げ,患者の背部に沿わせる」52.8%であった。患者を適切な位置に側臥位にできていないこと,シーツ全体に目を配ることが困難なこと,手指の細やかな動きおよび上肢と下肢の協働作業がスムーズでないことが難易度の高い要因と言える。次いで「新しいシーツをマットレスの中心に合わせて置く」55%は患者の側臥位の位置が影響していると考えられ,「反対側のシーツの残った部分の皺を伸ばしながら,マットレスの下に入れ込む」58.5%は,患者が臥床するマットレスの重みに抗して,重心を下げた状態で皺の始末をすることが困難で,ここでも左右の上肢および上肢と下肢の協働作業がスムーズでないことが要因であると言える。効果的な指導のあり方として,複雑で細やかな動作はスローテンポで確実にイメージさせること,部分的に正確な動作を習得した後,全体的に一連の行為を習得するプロセスを踏むこと等が大切である。
神戸市看護大学短期大学部の論文
2001-03-27