<原著>障害を持ちながら退院した術後患者の生活の支障と外来継続看護の課題 : 顔面神経麻痺と聴力低下に焦点を当てて

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本研究の目的は, 聴神経腫瘍摘出術後, 顔面神経麻庫と聴力障害を持ち退院した患者の生活の支障を把握し, 外来継続看護における支援方法を明らかにすることである。対象は, 聴神経腫瘍摘出術を受けて退院し, 外来通院中の患者7名である。外来受診時, 術前・術後・現在の気持ちや生活の支障の有無とその内容について半構成的面接を行い, 診療記録より, 手術前から面接時までの顔面麻痺と聴力障害の程度の変化を調査した。その結果, 以下のことが明らかになった。1.聴神経腫瘍摘出術を受けた患者の生活の支障は, 顔面神経麻痺・聴力障害・痛み・平衡感覚に関することであった。2.7事例中, 6事例に手術後顔面神経麻痺が出現し, そのうち3事例は重度であったが, 5事例は時間の経過で改善していた。このうち, 顔面神経麻痺が生活の支障となっていたのは, 1事例であった。その具体的内容は, 自尊感情と対人関係に関することであった。3.7事例中, 6事例に手術側の聴力障害が出現し, そのうち3事例は, ほとんど聞こえない状態が現在まで継続していた。このうち, 聴力障害が生活の支障となっていたのは2事例であり, 耳鳴, 音の遠近感と方向感覚の喪失による職業上の支障であった。4.顔面神経麻痺と聴力障害を持ちながら退院する患者のなかでも, 特に術直後障害が強く出現した事例, 術後障害が生活の支障となっている事例に対しては, 退院後の障害の程度や気持ちの変化, 生活の支障の内容について継続的に観察し, プライマリーナースが積極的傾聴を行いながら, 局所的ケアの方法や今後の見通しについての教育的・心理的サポートを根気よく継続することが重要である。
群馬大学の論文

<原著>障害を持ちながら退院した術後患者の生活の支障と外来継続看護の課題 : 顔面神経麻痺と聴力低下に焦点を当てて

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