新ガラクトオリゴ糖含有液糖がヒト腸内菌叢に及ぼす影響

元データ 2004-01-01 日本ビフィズス菌センター

概要

4-galactosyllactose (4-GL) を含む2〜4糖を主成分とする新規な組成のガラクトオリゴ糖 (新GOS) 液糖のプレバイオティクス作用を調べるため, 1) 22菌属62菌株の腸内細菌構成菌株による新GOS構成オリゴ糖構成分子のin vitro における資化性, および2) ヒト飲用試験における腸内菌叢への影響を解析した. in vitro 資化性試験においては, 新GOS2糖はBifidobacterium 属の6菌種に属する15菌株, Lactobacillus 属の7菌種, Bacteroides vulgatus, Clostridium perfringens, Enterococcus faecium, Streptococcus salivarius およびEscherichia coli によりよく資化され, この資化性は乳糖のそれに近似していた. 新GOS3糖の資化性を示したのは, Bifidobacterium 属の6菌種, Lactobacillus 属の3菌種, B. vulgatus, C. clostridiiforme, B. fragilis, Eubacterium rectale, C. perfringens であり, 4-GLもこれと同様の資化性を示した. 新GOS4糖はBifidobacterium 属の5菌種およびB. vulgatus のみによりよく資化され, L. reuteri, E. rectale, C. perfringens にも資化されたほかは明確な資化能を有する菌種は認められなかった. 糞便中のBifidobacterium 数およびその総菌数に占める割合が少ない(Bifidobacterium 数の平均値 : 109.4CFU/g糞便, 占有率 : 12%) 被験者22名 (平均年齢39±10歳) を無作為に11名ずつの2群に分け, それぞれに新GOSを2.5g/日あるいは5.0g/日を2週間飲用させた. 飲用前期2週間, 飲用期の1週目, 2週目, および飲用終了後の2週間のそれぞれ最終日に, 被験者の糞便を回収し, 糞便内菌叢, 有機酸, 腐敗産物 (アンモニア, インドール, パラクレゾール, フェノール), 胆汁酸, β-グルクロニダーゼ活性, 水分含量, およびpHを調べたところ, 以下の結果を得た. 1) 飲用前期に比べて新GOS飲用期においてはBifidobacterium 数およびその総菌数に占める割合が有意に増加した. この増加の程度は5.0g飲用群でより顕著であった. 2) 飲用期の総菌数が飲用前に比べて増加した. これに伴い優勢菌群に含まれるbacteroidaceaeも増加したが, 総菌数に対する割合は変化がないか, むしろ低下した. 通性嫌気性菌ではLactobacillus 属の増加傾向が認められた. 3) 有機酸については, 5.0g飲用群で総量およびコハク酸の有意な減少が認められた. 4) 胆汁酸は, 5.0g飲用群で飲用1週目に一次胆汁酸の減少が認められたほかは有意な変化は認められなかった. 5) 腐敗産物, β-グルクロニダーゼ活性には新GOSの飲用による影響は認められなかった. 6) 新GOS飲用中の糞便水分含量, pHともに正常な範囲で推移した. 以上の結果より, 新GOSの飲用が健常な腸内フローラを維持しつつBifidobacterium を選択的に増加させることが明らかとなった. さらに, コハク酸量や胆汁酸濃度の減少で認められるような腸内微生物代謝に対する新GOSの影響が示唆された.

著者

野本 康二 (株)ヤクルト本社中央研究所
結城 功勝 ヤクルト本社中央研究所
野本 康二 ヤクルト中央研究所
松本 圭介 (株)ヤクルト本社中央研究所
飯野 久和 昭和女子大学大学院生括機構研究科
川上 幸治 株式会社ヤクルト本社中央研究所
松本 一政 ヤクルト中央研究所
結城 功勝 (株)ヤクルト本社中央研究所
木村 一雅 (株)ヤクルト中央研
高田 敏彦 ヤクルト中央研究所
飯野 久和 昭和女子大学生活機構研究科
松本 一政 (株)ヤクルト本社中央研究所
高田 敏彦 (株)ヤクルト本社中央研究所
川上 幸治 (株)ヤクルト本社中央研究所
酒井 隆史 (株)ヤクルト本社中央研究所
飯野 久和 昭和女子大学生活科学部
飯野 久和 昭和女子大学

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