共同研究 28 アジア・オセアニアの人口・健康・栄養転換の統合的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
インディアナ大学の歴史学教授で人口と世界の健康に関する多くの著書をもつJames C。Rileyの「健康転換と寿命延長の世界誌Rising Life Expectancy:A Global History, Cambridge University Press, 2001)」によれば,「1800年から2000年の間に人類の平均寿命はおよそ30歳から67歳に延長し,恵まれた国々では75歳を超えた。「健康転換」と呼ばれるこの激変は,人がどのくらい長く生きられるか,どのように死ぬか,についての変化だといえる。死ぬ年齢は乳幼児期から老年にジャンプした。多くの人が自分達の子どもが成人になるまで生きているし,子ども達も祖父母がいることが当たり前となった。人々は,以前は主に急性感染症によって死んでいたが,最近は長期療養を伴う慢性疾患で死亡する。生産年齢の人口があふれ,老人がありふれた存在となった。」Rileyは2つの議論を展開している。第一に,「国ごとに,時には国内の地域ごとに,死亡率減少の戦略に多様性が見られることについてである。6つの戦術領域である 1。公衆衛生, 2。医学医療, 3。富と収入, 4。栄養, 5。行動, 6。教育を組み合わせて死亡率減少を達成したのだが,その方法,順序,時期などは国ごとに様々であった。死亡率減少と長寿の一般化へ至る道は多様である。「地球規模健康転換」は個別の健康転換の総体として見出された。」と彼は主張する。第2の論点は,このようにして生存が延長されたことの意義そのものについてである。「20世紀後半,各国・地域は6戦術領域のすべて使って死亡率改善を行ったが,使い方は様々であった。それぞれのアプローチにはそれぞれのコストがかかっている。各国が使っている戦術要素の有効性を評価する必要がでてきた。どの戦術がさらなる寿命延長と死亡率低下を促進するのでだろうか。」という疑問である。人口転換・健康転換,そして栄養転換はまさにそれぞれの社会の変容を表している。その多様性を研究することは人間の将来の生存(未来可能性)にとって多くの示唆を与える。
- 長崎大学の論文
著者
-
村山 伸子
新潟医療福祉大学健康栄養学科
-
村山 伸子
新潟医療福祉大学
-
村山 伸子
新潟医療福祉大学大学院
-
山内 太郎
東京大学
-
稲岡 司
佐賀大学農学部生物生産学科
-
門司 和彦
宮崎大学医学部社会医学講座公衆衛生学分野
-
門司 和彦
長崎大学熱帯医学研究所
-
稲岡 司
佐賀大学 農学部
-
稲岡 司
尚絅短期大学
-
梅崎 昌裕
東京医科歯科大学
-
門司 和彦
長崎大学熱帯医学研究所 熱帯感染症研究センター
-
稲岡 司
佐賀大学
-
梅崎 昌裕
東京大学大学院 医学系研究科 人類生態学
-
村山 伸子[他]
新潟医療福祉大学
関連論文
- 14.中国湖南省洞庭湖周辺集落における日本住血吸虫症感染と村民の行動のリスク評価(一般口演,平成20年度九州地方会学会,地方会・研究会記録)
- 新たな連携教育の試み : 総合ゼミ試行2年間のまとめ(新潟医療福祉大学における保健医療福祉専門職間連携教育の実践と将来(2001-2006))
- ラオスの農村地域の飲料水源と水利用パターンの変遷に関する研究
- 地域と協働したQOLサポーター育成 : 初年次教育からの保健・医療・福祉連携教育システムづくり(新潟医療福祉大学における保健医療福祉専門職間連携教育の実践と将来(2001-2006))
- 連携教育のあらたな試み : 総合ゼミを試行して
- 管理栄養士養成教育の改革と大学教育(保健・医療・福祉専門職の養成と生涯学習)
- 地域保健・福祉セミナーの報告 : 平成14年度後期分
- 健常高齢者におけるPGCモラールスケールに影響する要因
- コミュニティ・ニュートリション : 「エンパワメント」をとおした「健康な人間・社会・自然のエコシステム」の創造への挑戦
- 社会における「公衆栄養学」の役割と大学における教育アメリカの動向と日本の課題
- オセアニアにおける遺伝子流動と自然選択に関するゲノムワイドSNP解析
- 在宅看護論実習前のロールプレイにおける看護内容評価と教育的効果
- 熱帯病の数学モデルの構築と予防制圧への応用
- 5章 運動と血清脂質,血糖値,血圧の変化(I部 地域のウエルネス運動)
- Great Mekong Area における人類生態変遷の研究(Mekong Human Ecological Transsition Study: MEHETS)
- バングラディシュの砒素汚染 : ナワブガンジ地域における医学生態学調査
- バングラデシュ砒素汚染地域住民の尿中セレン・ヨウ素濃度
- 人類生態学における方法論的個体主義
- 地球環境問題と健康問題〜南アジアでの人類生態学的アプロ-チ(5)地球環境問題とプライマリ・エンヴァイロメンタルヘルスケア
- 地球環境問題と健康問題--南アジアでの人類生態学的アプロ-チ(4)インド農村の健康・環境問題
- 地球環境問題と健康問題--南アジアでの人類生態学的アプロ-チ(3)ネパ-ル農村の健康・環境問題
- 地球環境問題と健康問題--南アジアでの人類生態学的アプロ-チ(1)地球環境問題への人類生態学的アプロ-チ
- 地球環境問題と健康問題〜南アジアでの人類生態学的アプロ-チ〜2 バングラデシュ農村の健康・環境問題
- 17.熱帯雨林業労働者の労働衛生問題(一般口演,平成5年度九州地方会)
- 日本人成人男子の皮下脂肪厚3部位和 (上腕部, 肩甲骨下部, および腹部) と年齢からの身体密度の推定式の検討
- 性行為感染症及びHIV/AIDSに関する中国福建省福州市の臨床医を対象にしたKAP研究
- 熱帯地域における Prospective Community Study (PCS)
- 熱帯地での地域プロスペクティブ研究
- 未成年期に喫煙開始した若者の喫煙に関する認識とニコチン依存度 -大学生の質問紙調査から-
- アジア・オセアニアの人口・健康・栄養転換の統合的研究
- 食品製造企業従業員の食物摂取・食行動の課題
- 商店街を巻き込んでの食育の取り組み : 世田谷区ぱくぱく健康キッズ&タウンの事例
- 現代寄生虫病事情(24)文化と疾病の狭間--ケニアで風土病を学ぶ
- 2 蚊成虫採乗用低コスト・ライトトラップの開発(一般講演,第56回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)
- 総合的長期的な地域研究方法の構築
- FRP(Fiber-glass reinforced plastics)製造従事者における職業性アレルギー性接触皮膚炎
- 熊本県下FRP製造授業者の皮膚障害について
- スチレン曝露と色識別能における量・影響関係
- 1. 中小FRP製造職場におけるスチレンの作業環境濃度と個人曝露濃度(第45回労働衛生史研究会)
- 4. 熊本県のFRP製造職場における衛生管理の留意点 (第32回中小企業衛生問題研究会全国集会)
- 母親の産後うつ状態と児の発育との関連に関する縦断的研究
- インスリン非投与肥満2型糖尿病患者における血糖自己測定(SMBG)を用いた栄養教育が血糖コントロールに与える影響
- 健康開発と社会人類学・医療人類学
- 成人男性における身長と体重から計算した各種肥満度の妥当性 : 水中体重秤量法を外的基準として
- 熱帯病の数学モデルの構築と予防制圧への応用
- 成人女性における身長と体重から計算した各種肥満度の妥当性 : 水中体重秤量法を外的基準として
- 日本人成人女子の皮下脂肪厚3部位和 (上腕部, 肩甲骨下部及び腹部) と年齢からの身体密度の推定式の検討
- 熊本県内の中小FRP事業所におけるスチレンの生物学的モニタリング : 実際の作業現場での冬と夏の差とマスクの効果
- メチル水銀汚染地域住民のADLとソーシャルサポートに関する研究
- H303 FRP製造従事者におけるスチレンの生物学的モニタリング : 夏・冬の差とマスクの効果
- H212 スチレン暴露による色覚への影響
- P204 某FRP製造職場の皮膚障害経験者におけるパッチテスト結果
- 熊本県下におけるFRP製造従事者の健康問題と自主的安全衛生活動の展開
- 28. スチレン暴露による色覚への影響(平成10年度日本産業衛生学会九州地方会学会)
- ベトナムハノイ近郊における土壌媒介寄生虫の伝播疫学研究 : 野菜および手指爪垢の寄生虫卵による汚染状況
- ビルハイツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- ビルハルツ住血吸虫の病態像:これまで注目されなかった病変
- ビルハルツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- バングラデシュ・ダムライ郡の分娩・授乳状況 : 妊婦, 乳幼児をもつ母親, 伝統的産婆, 地域家族福祉補助員, 看護師への集団面接結果
- 沖縄の潜水漁民の身体的特徴とその作業歴との関連〔英文〕(短報)
- 共同研究 26 熱帯地での地域プロスペクティブ研究
- 549 地域在宅女性における身体機能の加齢変化
- アジア・オセアニアの人口・健康・栄養転換の統合的研究
- 大学病院看護師のバーンアウトスコアと東大式自記健康調査票(THI)成績
- 長崎県の介護保険の現状と未来 -第38回長崎県公衆衛生研究会シンポジウムの記録概要-
- インフォームド・コンセント普及阻害要因に関する社会医学的考察
- Health Transition(健康転換)構造の解明(平成7年度プロジェクト研究報告(保健学部・保健学研究科),研究助成金による成果紹介)
- 共同研究 28 アジア・オセアニアの人口・健康・栄養転換の統合的研究
- ラオス南部農村地域の児童のタイ肝吸虫感染に関わる要因の検討 : 親の生魚の摂取習慣が子どもの生魚の摂取習慣形成に及ぼす影響
- 10章 健康文化と長寿少病社会(I部 地域のウエルネス運動)
- 西ジャワ・スンダ農民の仕事 : その季節による変動と性・年齢による差異(西ジャワ・プリアンガン地方の健康・生態・人口)
- 遺伝および環境要因と思春期の成長、栄養状態--南太平洋ソロモン諸島の3集団の比較
- 大学制度の比較検討 : イギリスの「ロビンス」報告と日本「わが国の高等教育」
- 生態学的条件の異なるアジア諸集団の尿中13元素およびストレスマーカーの定量分析
- ビルハルツ住血吸虫症の対策法の検討:これまで注目されなかった病変
- ザンジバル北部住民における水接触行動と住血吸虫症に関する知識
- 解題 : 熱帯感染症の疫学とモデル構築の意義
- 勤労男性の飲酒頻度と食行動・食物摂取状況の関連に関する予備的検討--食品製造企業M工場の例
- Health Education Approaches to Control Urinary Schistosomiasis In Developing Countries
- トカラ列島平島における漁活動と食生活 (奄美-3-)
- 緊急医療援助の現場から (特集 国際保健医療学)
- 科学通信 科学ニュース インド洋津波後の感染症アウトブレーク研究の意義
- IUNS栄養学リーダーシップ育成国際ワークショップ (IUNS Workshop on Capacity and Leadership Development in Nutritional Sciences) の開催報告(速報)
- ビルハルツ住血吸虫症の虫卵排泄数変動を予測する数理モデルとシミュレーション
- 総論 感染症に対する現代社会の脆弱性 (特集=感染症と現代社会)
- 特集の解説
- 新興・再興感染症を取り巻く研究の現状
- 教育研究委員会活動報告 ---編集後記に代えて---
- 栄養指導による慢性便秘患者の栄養素摂取量変化
- 慢性便秘女性患者の食生活と食物繊維摂取量
- ラオス伝統的民謡「ラム」を活用した健康教育の試み
- 健康推進員のエンパワメント評価尺度の開発と信頼性・妥当性の検討
- 職場における男性を対象とした栄養教育と食環境介入が体重コントロールに及ぼす効果 : 無作為化比較試験による検討
- 勤労男性の飲酒頻度と食行動・食物摂取状況の関連に関する予備的検討-食品製造企業M工場の例-
- 成人男性における野菜摂取行動の変容ステージを評価するための日本版アルゴリズムの検討
- 栄養管理報告書を用いた特定給食施設における食事摂取基準の活用に関する調査
- 職場における男性を対象とした栄養教育と食環境介入が体重コントロールに及ぼす効果 : 無作為化比較試験による検討
- 職場におけるトランスセオレティカルモデルを応用した食環境介入と栄養教育の統合プログラムの開発と評価
- 8-3 東アジア地域の都市化が子どもの健康に及ぼす影響に関する総合的研究 : (第1報) 局所耐寒測定システムの開発とその応用を中心として(セッション8-代謝・安全・健康,研究発表第二日目,生活環境の守備範囲)
- 男性勤労者を対象とした野菜摂取行動に関するトランスセオレティカルモデルの変容プロセス尺度の検討