造林後5年間の下刈り省略がヒノキ苗の成長に与える影響
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概要
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下刈り省略がヒノキの初期成長に与える影響を明らかにするために, 5年間無下刈処理を行ったヒノキの4年目のサイズと5年目の期間成長量を下刈り処理と比較し, 広葉樹による上方および側方被圧の影響を決定樹分析により検出した。4年目の平均樹高と平均胸高直径 (DBH) は処理間で有意差はなかったが, 平均樹冠投影面積は無下刈区の方が著しく小さかった。決定樹分析では, 樹高とDBHに対しては上方被圧が, 樹冠投影面積に対しては側方被圧が密接に関連しており, 上方被圧はヒノキの初期成長の主たる制限要因となっていることが分かった。期間成長量の比較では樹高とDBH, 樹冠投影面積のいずれも上方・側方被圧の両方の影響が検出されたが, 決定樹分析の結果では, いずれのパラメータに対しても側方被圧の方が強く影響することが示され, 側方被圧がヒノキの受光量と樹冠量を低下させた結果, 生産量を減少させたと推察された。以上の結果から, ヒノキの成長の確保には上方被圧の回避が必須であるが, 側方被圧による樹冠量低下が積算的な効果となって後に発現する可能性があるため, 上方被圧の有無だけで下刈り時期の判断を下すことには危険性があると考えられた。
著者
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伊藤 哲
宮崎大学農学部
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高木 正博
宮崎大学農学部
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重永 英年
森林総合研究所九州支所
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平田 令子
宮崎大学農学部
-
山川 博美
森林総合研究所九州支所
-
山川 博美
鹿児島大学大学院連合農学研究科:日本学術振興会
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