宮崎県諸塚村における帯状複層林のスギ・ヒノキ下木の成長特性
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概要
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日林誌84:151〜158,2002優勢木平均樹高が約18mの65年生ヒノキ一斉林において皆伐帯幅約14m,保残帯幅約19mで交互帯状皆伐が行われてから26年経過した帯状複層林のスギ・ヒノキ下本の成長と形状比を調査した。樹高と胸高直径は保残帯中央から皆伐帯中央にかけて大きかった。林緑距階ごとの優勢木平均樹高と樹幹解析から得た樹高成長曲線を収穫表の値と比較した結果,皆伐帯でのスギ・ヒノキ下木の樹高成長は隣接する一斉林と同程度であることが示唆された。形状比は林緑からの距離に関係なくほぼ一定で,その平均はヒノキで81,スギで76であり,これらは中庸密度管理の一斉林でみられる形状比の平均的な値に近かった。帯状複層林下木の樹高成長には上木の庇護による微気象緩和と成長減退のバランスが関与し,形状比には上方と側方からの直達光の量が関与すると考えられ,これらの規定因子として帯幅が重要であることが示唆された。本調査地の優勢木平均樹高の80%に相当する皆伐帯幅に樹高成長と形状比からみて妥当な範囲にあったと評価できる。また,帯状複層林は高収益,高成長,高蓄積,生物多様性の保全などの持続的経営林の要件を満たす可能性を有していると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 2002-08-16
著者
-
伊藤 哲
宮崎大学農学部
-
溝上 展也
九州大学大学院農学研究院
-
伊藤 哲
宮崎大学農学部生物環境科学科森林化学科学講座
-
溝上 展也
宮崎大学農学部
-
井 剛
緑資源公団広島地方建設部
-
伊藤 哲
九州大学農学部
-
溝上 展也[他]
九州大学大学院農学研究院
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