室内空気中の有機リン化合物の測定法の検討とそのアプリケーションについて
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概要
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室内環境内には人体影響が懸念される有機リン化合物の発生源が存在する。例えば, 防蟻剤や防虫剤等の農薬類の一部にも当該物質が使用されており, また, 内装材の一つであるビニルクロスの中には可塑剤や難燃剤として有機リン酸エステル類が使用されている。このため, これら有機リン化合物が室内に揮散し室内汚染をもたらすことが指摘されている。本研究においてはこれら有機リン化合物の存在形態を明かにする目的で粒子状とガス状の分別測定法の検討を行った。その結果, 石英フイルターとEmpore Disk C18フイルター(以下, Diskフイルター)を重ねて, 毎分10Lの流速で24時間試料空気をサンプリングし, 粒子状を石英, ガス状物質をDiskフイルターに捕集する。ついで, 被検成分をアセトンで抽出後, GC-FPDで分析する方法を確立した。本法を実際の居住環境内の有機リン化合物の実測に適用した結果, トリブチルホスフェート(粒子状2.5-25.8ng/m<SUP>3</SUP>, ガス状8.5-20.2ng/m<SUP>3</SUP>)やトリス(2ークロロエチル)ホスフェート(粒子状N. D. -6.5ng/m<SUP>3</SUP>, ガス状4.0-9.8ng/m<SUP>3</SUP>)の両物質は粒子状とガス状が常に存在していることが明かとなった。<BR>更に, ダイアジノン, クロルピリホス, クロルピリホスメチル, フェニトロチオン等の農薬系有機リン化合物も検出された。
著者
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安藤 正典
国立医薬品食品衛生研究所
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磯崎 昭徳
日本大学理工学部
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松村 年郎
国立医薬品食品衛生研究所
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浜田 実香
国立医薬品衛生研究所
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浜田 実香
国立医薬品食品衛生研究所環境衛生化学部
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伊藤 健司
東洋特紙工業株式会社
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