C30 固定相を用いるイオン対クロマトグラフィーによる有機化合物中のヨウ素の定量

概要

論文の詳細を見る
C30カラムは, トリアコンチル基(C30)を主成分とするアルキル基をシリカに化学結合させた固定相である.このカラムを用いて, 有機ヨウ素化合物の前処理に酸素フラスコ燃焼法を使用し, IP-HPLCを組み合わせて, 有機ヨウ素の定量を行った.テトラブチルアンモニウム塩及びアセトニトリルを含むリン酸緩衝溶液(pH6.0)を移動相に, 紫外(UV)吸光検出器を用いてヨウ化物イオンの溶出挙動を検討した.ヨウ化物イオンは230nm付近に強いUV吸収を有するので, UV吸光検出器を用い高感度に測定することができた.ヨウ化物イオンの定量範囲は0.20∿20.0μg/mlであり, 検出限界は5ng/ml(S/N=3)であった.また, 検量線の相関係数は0.9995以上を示し, 繰り返し測定による相対標準偏差は20μg/mlと2.0μg/mlについて各々0.27及び0.45% (n=10)と良い再現性を示した.2種の有機ヨウ素化合物について, 組成の異なる4種吸収液を用いてヨウ化物イオンを定量する方法を検討した.その結果, ヒドラジンを含む吸収液を用いることにより遊離ヨウ素をヨウ化物イオンに変換させることにより, 有機化合物中のヨウ素を短時間に精度よく定量することができた.
2005-02-05